!死にます
「こじゅ…ろ、さま…」
「!…いい。しゃべるな。」
ああ、私は夢をみているのだろうか。さっきまで戦の最中だったというのに、お慕いしている小十郎様が私の枕元にいらっしゃるなんて…!
もっとはっきりと小十郎様を認識したい。もっと、もっと、…気持ちはあるのだけれど、からだが重くあたまの中がぼんやりと霧をかけたように頼りない。こんなこと、初めてだ。私は、どうなってしまったのだろう、
「わた、し」
「急に倒れたそうだ。無理がたたったんだろう。気候もよくない。」
小十郎様は困ったように笑って私の頭を一つ撫でた。…………嘘だ。小十郎様はいつまで経っても嘘が下手なお方だ。
「私…死ぬの…ですね」
はっと顔をあげた小十郎様は、うなだれた。
「………すまねえ」
「謝らないで、ください。………小十郎、さま、…お願いですっ手を……握っていてはくれませんか」
私が笑うと、(しかし実際顔の筋肉までもが役に立たなくなっていて、私は顔を歪めただけかもしれない)
「ああ…」
小十郎さまのごつごつした掌と私のてのひらが重なって、私は目を閉じた。奥の方で小十郎様の声が、聴こえた。
誰も幸せになれない
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titleにやり
死ねたとか、かくのは好きです
でも読み返すとなんか凹む