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昼休み。自販で飲み物でも買おうかと廊下を歩いていると、

「宍戸せんぱーい!」

という明るい声が後ろから響いてくる。振り返ると満面の笑みで俺の方に走ってくるなまえの姿があった。ある程度の距離を走ったのか頬が上気している。


「おお、なまえ。修学旅行から帰ってきたのか。」
「はい!」


そーいや二年生は修学旅行だったなと思い出しながら問いかけると、名前は頷いて、楽しかったか?という俺の質問に身振り手振りで答えてくれる。


「はい!樺ちゃんが鹿にものすごく好かれてて面白かったですよ!あと日吉くんが………あ、これはここだけの話ですよ!」


急にきょろきょろと辺りを見渡し、声量を落としたなまえが俺に耳を貸せというジェスチャーをするから、ジェスチャー通りに屈んで耳を貸してやる。(それにしても鹿に囲まれる樺地か…想像できねえな…)


「日吉くんが、大仏さまに向かって下剋上だ…って言ってたんです!」
「ぶっ…なんだそりゃ」
「面白いですよねー!私にはよくわからないです。」


二人して笑っているとなまえが何かを思い出したような顔をしてブレザーのポケットを探りだした。その様子を黙って見つめていると、なまえがそのポケットからひとつのキーホルダーを取り出した。


「はい、宍戸先輩へのお土産です!」
「俺にくれんのか?」
「もちろんです!携帯とかに付けてくれたら嬉しいなーなんて。」


実は私と色違いのお揃いなんです、と少し赤くなった顔で笑ったなまえの頭を撫でて、携帯につけるぜという返事をする。



これも愛


「えへへ、良かった!宍戸先輩大好き!」
「おう、俺もなまえのこと好きだぜ。」







omake

「…………これで二人は付き合ってないっちゅーんやから世も末やな。」
「え!?付き合ってねーのかあいつらって!?」
「せやで。あーゆーカップルも居るんや。覚えとき岳人。」



「樺地、鹿に忠誠を誓ったっつーのは本当なのか?アーン?」
「………………。」
「どうなんだ?はっきり言え。俺より鹿のほうが良いって言うのか?」

「こっちはこっちでなんかめんどくさいことになっとるしな…。」
「跡部のやつ、目がマジだぜ…。」
「これも愛ゆえ、やな。」
「うん。樺地が可愛そうだな。」

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titleにせもの
たまには照れない宍戸先輩もかきたくなる




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