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「好きなんじゃみょうじちゃんのことが。」


俺と付き合ってくれんか、と続けられた言葉にわたしは目を丸くした。その相手が一般人だったら分かる…かもしれない。でも一般人の恋愛、告白とは話がまったく異なってくる。なぜなら、わたしに告白したのはあの立海テニス部のコート上の詐欺師という異名を持つ仁王雅治だったからだ。



意図的に運命



「うそ、ですよね…?きょ、今日エイプリルフールですし!」

「うん。嘘じゃよ。」


やっやっぱり…。笑顔で返ってきた言葉にほっとすると同時に怒りがこみ上げてくる。かっこよくて、テニスが強いからって、こんな嘘つくなんて酷い。睨み付けてやろうと顔を上げると、仁王くんの顔が目の前に。


「なっ…!!えっ、!?」

「嘘じゃったら…ええんだけどな。本当に好きだから苦しいぜよ、…あー……片想いってやつはこれだから嫌だ。」


そう言って目の前で微笑まれる。かっこいいというより、綺麗、という誉め言葉の方がしっくりくるその表情に息がつまる。わたしが黙っていると(正確に言うと何も言えなかったのだけど)仁王くんは屈めていた体を起こして、「やっぱり疑っとるみたいじゃな」と告げたあと、またひとつ爆弾を投下した。


「俺が本当にみょうじちゃんのこと好きじゃ、ってこと証明しちゃるから…今日の放課後付き合ってくれ。」


でーと、っちゅーやつじゃな。と笑いながらその場を去っていく仁王くんの背中をわたしは何も言えないまま見送った。

あの仁王くんが、わたしのことを好き、…?あの衝撃的過ぎる出来事のあとの授業なんて集中出来るわけもなく、わたしは上の空で授業時間を過ごした。別に仁王くんのことはよく知らないけど、嫌いなわけじゃないし、イケメンだし…放課後付き合うくらいなら…と色々心の中で言い訳しつつ、結局待ち合わせ場所に向かってしまうわたしは、もう既に仁王くんに堕ちてしまったのかもしれない。



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titleにせもの
エイプリルフールといえば嘘、嘘と言えば仁王!




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