2012短いおはなし | ナノ

さあ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい。これから話すお話は、女の子の大好きな切なくて甘酸っぱい恋のお話だよ。彼の恋の行方をみんなで見守ろうじゃないか。


−−帝国学園に入学した辺見くんは、同じクラスの男の子のように活発でさばさばとした性格が魅力的な女の子に恋をしました。

おでこはオープンでも、性格はシャイな辺見くんは、彼女に付き合っている男性がいるのか、または想いを寄せている男性がいるのか、などと聞く勇気はありません。そこで辺見くんは、同じサッカー部の源田くんに聞いてもらえないか頼んでみました。すると基本的に人が良い源田くんは快く引き受けてくれたのです。辺見くんは、ああ…やっぱり持つべきものは優しい友人だなあと思いました。

源田くんに頼んでから3日ほどがたった頃、ずっとそわそわそわそわしていた辺見くんに源田くんが近寄ってきました。辺見くんの心臓はものすごい速さで動いています。


「辺見、遅くなってすまない。聞いてきたぞ。」
「お、おう…どうだったよ」


辺見くんは必死で平静を装います。そんな辺見くんに気づいていないのか、源田くんは、なんの溜めも作らずに一気に話し始めました。



「あの子は、付き合っている男はいないらしい。タイプは髪のボリュームがすごくて、優しくて、鈍感だけど、頼りになって、逆立ちでシュートを止めてしまう感じの男だそうだ。」



源田くんはニコニコと辺見くんにありのままを伝えました。その子の言う通り、源田くんは頭にクソが付くほど鈍感だったのです。クソ鈍感な源田くんを辺見くんは心の底から殴ってやりたいと思いました。こうして辺見くんの恋は切なくしょっぱく終わりを告げたんだとさ。おしまい!−−


この切ない初恋のお話はどうだった?え、甘酸っぱくない…?ただただ酸っぱい?でもねぇ、これはまだ彼が中学一年生の時のお話。もしかしたらまだ続きがあるのかもしれないよ。とりあえず、今日のお話はここまで。




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