高校生にもなって、わたしは恋の基礎とも言えることに対して疑問を持っていた。
「すきになって、付き合って、それでどうするの?結局、人をすきになるってなんなんですか?」
「…なんでそれを俺に聞くんだい?」
わたしの疑問ぶつけた相手は、女神のように美しく微笑む。美しいという言葉以外にこの微笑みを表せるのだろうかとしばし考えたあと、彼の質問に答えた。
「幸村くんなら知ってそうって思ったからだよ」
疑問質問なら柳に聞けばいいじゃないかと、幸村くんは言うけれど、これはデータとか統計とかで導き出せるものではないから、専門外だと思ったのだ。幸村くんは同い年とは思えない落ち着きと(それは柳くんも一緒だけれど)言葉では上手く説明できないけど、何か他の人とは違うオーラを持った人だからなんとなく聞いてみたのだ。
「まあ、幸村くんはどう考えてるのか教えてよ」
「………さあ、なんでだろうね。」
少し考える仕草をとった後、幸村くんは顔を上げてやんわりと告げた。その表情から、分からなくて誤魔化した答えをよこしたのではなくて、何か彼の中で答えがあってその言葉を出したような感じがした。不満げなわたしの顔に気づいたのか、幸村くんはゆっくりと口を開く。
「分からなくていいんじゃないかな、分からないまま生きて死ぬんだよ。」
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -