すき、スキ、好き。好きってなんだろう、友達と好きな人の話をよくするけれど、わたしはいつも聞く側に回ってしまう。なまえも何かないの〜?なんて聞かれたりするけど、まあ今は話すことないなあ、とか適当に受け流してなんとか対処している。本当のことを言うと、おととい告白されたのだけれど。ちなみにそのお相手は、隣の席で国語の授業を暇そうに受けている不動明王くんである。
なんで彼がわたしのことを好きになったのだろう…と考えたら、さらに好きって気持ちがなんなのか解らなくなってしまった。結局その告白に対しては『好きとかよくわからないから』と正直に話した。その時の不動くんのぽかーんとした顔は頭に焼き付いている。
「なあ、」
いきなり声をかけられて肩がびくりと震えた。授業はいつの間にか終わっていて、まだノートに写していない黒板の文字が消され始めていた。あーあ、もう間に合わない。そして声の方に目を向ける。不動くんがわたしを見つめていた。
-------------
力尽きた
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -