こねた | ナノ

家庭科はやっぱ調理実習が全てでしょ!そう潔く言い切った家庭科の先生が、そんな訳で明日はなんか作りまーす!とにっこり笑ったのが昨日のこと。エプロンと三角巾を身に付けた私は、グループ分けの詳細を聞いて、大変な事態になってしまったことに気がついた。


(ま、まさか…源田くんと二人きり…!?)普通周りの席で六人集まってひとつのグループなんだけれど、私たちは端の一番後ろだから、もともと四人のグループで、私と源田くん以外の二人は今日は風邪やらなにやらでお休みときた。私があわあわとしていると、源田くんも私と同じことに気付いたのか、「よろしく」と笑顔で私の肩を叩いた。


「あっ…はい、うん……よ、よろしく…お願いします。」
「あら、ここは二人なの?」


しどろもどろになりながら源田くんに返事をすると、先生が私たちの状況に気付いたようで、近付いてきた。私は咄嗟に先生に詰め寄り、そうなんです二人なんです二人じゃアレですよね!?と早口で言った。


「ん〜そうねぇ、アレよねぇ…じゃあ、ここに私も入って三人でやりましょう。」


先生は女神さまだ!声に出して叫べば、怪訝な顔で見られること間違いなしだったので私は心の中で先生を崇めることにした。


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「みょうじはさ、……俺のこと嫌いなのか?」
「えっ!」



※力尽きました
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