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豪炎寺くんって何考えてるのかさっぱりわからない。無口なのかと思えば、サッカーについては円堂くんと同じくらい熱くなるし、無表情で固まったまま動かないのかと思っていた表情は、サッカーの試合で勝ったときに笑顔…とは呼べないかもだけれど、口元には間違いなく笑みが浮かんでいた。



「……豪炎寺くんっていったい何考えて生きてるんだろう…。」

「俺がどうかしたか?」

「っわあっ!?」


急に後ろから豪炎寺くんに声をかけられて、洗っている途中だったボトルが手から滑り落ちた。それを拾って豪炎寺くんの方に控えめに目をやると、いつもの如く無の表情をした彼が立っていた。そう、私はこの表情が苦手なのだ。なんでも見透かされているような気分になる。今回も例に漏れず居たたまれない気分になってしまった私はなんでもないよ、と笑顔を取り繕ってまたボトル洗いに集中しようとした。集中しようとした…ら、


「ちょ、ちょ、ちょ!?豪炎寺くん!?」

「動かないでくれ。」


何故か私に近づいてくる豪炎寺くん。それも尋常じゃない近さ。既に彼のユニホーム越しの体温が私に伝わってきている。私は突然のことにボトルを手にしたまま後ずさる。そして豪炎寺くんの左手が私の右肩に収まり、流れるような手つきで右手が私の左の頬に近づいてきて触れた。


(や、やだ…!どうすればいいの!?)

「……よし。」


そう言って豪炎寺くんと私の距離は一気に開いた。ぽかんと見つめる私に、豪炎寺くんは無表情のまま、まつげがついていた。とだけ言った。


「………ありがとう。」

「ああ。」



小さく頷いて、豪炎寺くんは洗い場を出ていった。……ほんとう豪炎寺くんって訳わかんない。豪炎寺くんも訳わかんないし、なんで私が今すごく、訳わかんない豪炎寺くんなんかにドキドキしちゃってるのか…も、よく分からない。わからないことだらけでついたため息はいつもより長くなった。



あしたになればわかるよ



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title僕の精


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