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俺の目の前で、ふあ、と小さくあくびをかましたナマエの額に、俺は容赦なくデコピンをお見舞いしてやった。痛い!とご丁寧に反応したナマエは額を両手で押さえた。


「ふ、不動くん酷い…!」
「俺が直々に勉強教えてやってんのにあくびなんかすっからだ、このアホ」
「だって…難しい…」
「さっき教えたのにできねーのか、本当にアホだな。」


冷たく言い放つと、ナマエはしょんぼりと肩を落とした。それを見ると、う…と言葉に詰まる。おいそれとは口に出せないが、ナマエの弱っている姿に俺は弱い。つい、助けたくなってしまう。これが惚れたもんの弱味ってやつなのか…本当にやっかいだ。


「ったく……ここの問題は公式使うんだよ、公式をまず叩き込め。」
「う、うん!頑張る!」


教科書の該当箇所を示してやると、ナマエは意気込んで読み始めた。こういう素直な所はすごく、…可愛いんだけどな、とキャラじゃないことを考えながら肘をついてナマエを見つめていると、不意にナマエが顔を上げた。



「不動くん、大好きだよ。」
「なっ…!?」



顔に火がついたのかと思うくらい熱くなる。固まったままの俺をよそにナマエは何事もなかったかのように、教科書を読み続けた。新種の言い逃げかよ!



「勉強終わったら…覚えてろよ…」


俺が呟いた台詞は集中しはじめたナマエには届かなかったようだが、勉強が終わったら、俺の声しか聞こえないようにしてやろうと思う。



好きって言ったら負け



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title僕の精

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