inzm | ナノ


「げ、源田くんがむ……むむ、」
「む?」


ナマエの言葉はそこで止まった。俺を呼び出しておいて、それはないだろ。幼馴染みのナマエはどうやら先日俺の練習を見に来たときに源田に惚れたらしい。ナマエはそのことを俺に隠している気でいたのか、俺が「源田に惚れてんのか」と言ったら、今までに見たことのないほど赤くなったナマエがいた。そしてその日から数日経った今日、俺を公園に呼び出したナマエが発した冒頭の台詞に戻る。



「え、えっと……だから、その…っ」
「……いい加減蹴るぞ。」
「!い、嫌です…!」


脅すと面白いくらい青くなったナマエ。お前のこと蹴るわけねーだろ。俺も成長したんだ、卒園と同時にお前を身体的に虐めることも卒業したんだっつの。ちなみに幼稚園まで虐めてたのかっつー質問は受け付けてねぇから。


「げ、源田くんが胸が大きい女の子が好きって本当!?」
「ぶっ…!?」


大きく深呼吸したあとナマエの口から紡ぎ出された言葉に驚き、ごほごほと咳き込む俺の背中をナマエが撫でた。胸が…大きい……だと!?源田のタイプはそういう感じなのか!?源田のタイプなんざはどうでもいいんだが……、


「ふたつ、いいか?」
「う、うん…!」

「ンなこと知るか!!」
「……。」



「それとな、ナマエ……」
「なあに?」


「もしも源田が胸がデカイ女が好きなら、」
「好きなら……?」



「お前はアウトだ!」





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ギャグセンスが来い。


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