belze | ナノ


眠い…。昨日深夜までバイトを入れていたせいで、私はあまり眠れていないまま、学校で授業を受けていた。高校生は深夜までバイトは出来ないきまりだけれど、まあいろいろと騙し騙しやっている。

今は日本史の時間で、近現代に出てくる漢字ばかりの法や条例に眠気はさらに引っ張られてくる。思わず出そうになるあくびをこらえながら、必死に耐えた。



愛をうたう小さな怪獣



(あーあくびこらえたら涙でた)

「くくっ」
「…?」
「あ、ごめん。怒っちゃった?」


小さい笑い声がして視線を向けると、クラスの爽やか美男子こと、夏目くんがいた。


「あ……お、怒ってないよ!」


慌てて返事をするものの、まさかこんなところを夏目くんに見られているとは思わなかったので顔がぼわっと熱くなるのを感じる。


「顔が真っ赤だ。」

そんな私を見て楽しそうに笑う夏目くん。私はいたたまれなくなってうつむく。もう眠気なんて銀河系の彼方に飛んでいってしまった。


「ねぇ、ミョウジ」

小さい声だけど話しかけられて、びくりと体が反応する。夏目くんって女子をさん付けで呼ぶイメージだったから、名字を呼び捨てで呼ばれて少々驚いた。


「な、なんでしょうか?」
「寝るんなら、寝顔さらさないでね。」
「……あ、うん、誰も私の寝顔なんて見たくないもんね!!」


夏目くんの発言に傷付きながらも、ましてやよだれ垂らしてたら最悪だしね…!と返事をしておく。寝顔さらすな、って…気持ちわるいからうつむいて寝ろってことだもんね…。ショックで更にうつむく私に夏目くんが一言。


「ミョウジの寝顔、絶対可愛いから他の男には見せないでよね。」


再び楽しそうに笑った夏目くんに、私は顔をあげたまま、何も言えずにいた。眠かったはずの日本史の授業が終わるのは、あと十分後。


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titleにやり
夏目くんのかっこよさに最近気付いた。もっとかっこよくかきたいな…!



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