belze | ナノ

「ふふふーんふんふん」

今日も快晴で素晴らしいお天気!私はバイトに精を出す彼氏の東条秀虎にお弁当を届けに行くのです!


「とーらくーん!」


工事現場は丁度お昼休憩に入ったところらしい。手頃な場所に座り込んだ人達が私を一斉に見つめる。


「ナマエ!」
「あ、虎くん!お疲れ様!はい、お弁当。」
「いつもありがとな、ナマエ。」


汗くさい虎くんが近寄ってきて、私のお弁当を受けとる。いつも思うけど、作業着姿の虎くんはかっこよすぎる。汗くささも一種のアクセサリーよね、これは。


「あぶないから気をつけて帰れよ。」
「うん!」
「なんだーこの子が虎の彼女か!ずいぶん可愛い子でねぇか。」


虎くんよりも歳上の風貌のおじさんがにこにこと近寄ってくる。こんにちはと頭を下げると、丁寧に同じようにお辞儀を返してくれた。


「いやー虎がね、可愛い彼女が居るんだってうるさくてね。」
「え?」
「俺たちはこんな汗くさい所で泥まみれになってるノーテンキな大男に可愛い彼女なんているわけねぇって言ってたんだけどもねぇ、」
「本当にいただろ?俺は嘘はつかねぇ。」


ノーテンキな大男…その表し方に思わず笑いが零れてしまう。おじさんには虎くんをよろしくお願いしますと伝えてまた虎くんと向き合う。


「可愛い彼女じゃないけど、また来るね!」
「明日はたこ焼き屋のバイトなんだ。」
「あれ、また?」
「臨時でな、人が足りないんだと。」


優しい虎くんらしい。人が足りない時に、人が良くて、たこ焼きを焼くのも上手い虎くんをお店の人が頼りたくなっちゃうのも頷ける。私は虎くんに了解。と敬礼してから手を振る。虎くんも笑顔で私を見送ってくれた。数歩歩いたところで、



「あーさっきナマエが可愛い彼女じゃないけど、とか言ってたけど、ナマエは世界一可愛い俺の彼女だから安心しろー!」


という台詞が私の背中を追った。真っ赤になった私を見て満足気な顔をして虎くんは笑っていた。悔しいから、明日のお弁当は大きいハートマークとスキって文字を入れてあげよう。


リアルドリーマー




---------------
titleにせもの
東条さんにつなぎ来てほしい…やばいな…似合いすぎるでしょ!


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -