「お姫サマかと思った。」
時は戦国…ってちゃうちゃう!今は21世紀を時めく現代。隣に座るご武人…じゃなくて、東条さんが言い放った言葉に私たちは目を丸くした。
「庄次さん…東条さんってばバイトのしすぎでついにおかしくなっちゃったんでしょうか?」
「ば、馬鹿いうなよ…!」
こそこそと話す私と庄次さんにに気付いているのかいないのか、東条さんは陣野さんに話しかけていた。
「かおるもそう思うだろ?」
「…そうだな」
ちらりと私をみた陣野さんは東条さんに同意した。
「ま、まさか陣野さんまでおかしく…」
「どうなってんだ…」
二人で首を捻っていると陣野さんが助け舟を出してくれた。
「虎は…ミョウジに初めて会った時のことを言っている…。」
「え?私と?」
…ということは、私と初めて会ったとき『お姫サマかと思った』ってこと!?私は顔がじわじわ赤くなっていくのを感じた。
「あーそういうこと…じゃあ俺も同意する。」
「しょ、庄次さんまで…」
「あんときさぁ…ナマエちゃん、空から降って…いや、吹っ飛んできたからね」
庄次さんの笑い声に私はその日のことを思い出していた。
委員会で使うためにまとめた資料など、重過ぎな荷物を抱えて私は階段を降りていた。重かったけど、再放送のドラマに間に合わせる為にも一回で終わらせなきゃと無理して一気に運んでいた。
体力もなくて、ドジな私がそのまま仕事を終わらせられるわけもなく…。
「っきゃああ!」
階段を下っていたら、見事に踏み間違えて、体が前方に傾いていった。先に手放した段ボールいっぱいの資料が床にぶつかる音がして、
「おっと……、」
…私は、東条さんに抱き留められていた。
「…!?あ、あれ?」
驚き過ぎて、お礼も言わずにぽかんと東条さんの顔を見つめていると、固まっていた東条さんが笑って、腰が抜けたか?と言った。
結局そのあと、ぶちまけた資料を東条さん、陣野さん、庄次さんに手伝ってもらって仕舞い直し、段ボールは庄次さんが運んでくれ、私が後日三人にお礼をしに行ったことで仲良くなったのだった。
「…思い出してみたんですけど、どこにお姫サマ要素が?ただの私の失態を見せただけのような…」
と私が言うと、
「紙吹雪が降ってきて、そこからナマエが出てきたからじゃねぇか?……ま、なんだっていいじゃねーか、お前は俺たちの姫サマってことで」
とからからと笑う東条さん。庄次さんも、あの陣野さんまでもが頷くから、恥ずかしさで、私は小さい声でありがとうございます、と返すことしかできなかった。
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雛祭り関係ないし何だこのgdgdな話……。
つまり、女の子が東条一派に愛されてるってことです←