そうだ、わたしはそういうにんげん

赤壁。十万本の矢ちょい前。割とレッドクリフ。
。。。。。。。。。

――元気ですか?呂布が暴走していませんか?呉の街で見つけた筆を同封しておきます。高かったんですからしっかりがんばってください。 追伸 真っ赤な服の人ばかりで目が痛いです。

「うん、こんな感じでいいですねー?」

筆を置いて、書簡を乾かす。乾いたらぐるぐる巻けばいいだろう。
よしよし、と一人頷いていると、部屋の外から声がかかった。
「劉備殿」
「どうしたのだ?……あ、諸葛亮か。なんですかー?」
「三日後に船に乗り海に出ます。当日しばらくの間留守にさせていただきますが慌てないでくださいね」
ああ、と思わず手を打った。あの名シーン……と表すのは語弊があるかもしんないけどかっこいい奴ですね?
「矢集め、ですねー。……しっかしお二人怖いわー」
羽扇を口元に持っていった諸葛亮が、一瞬身じろいた。
「……そうでしたね」
「そうですよー」
未来知識万歳☆
乾いた書簡をくるくると手際良く巻いて、立ち上がる。
「それ私も行きたい「ダメです」
「ですよねぇ」
文のやりとりという口実を作って私も部屋から出た。別になくてもいいんだけどこっちの方がスムーズ!
「城下に肉まん美味しいお店有りましたよ」
「私が作ったほうが美味しいです」
「だって諸葛亮中々作ってくれないじゃないですかいけず」
「……いつか作りますよ」
「いつかとサンタは来ないんですー」
他愛もない話をしながら廊下を曲がると、周瑜さんが険しい顔で立っていた。
私を認めると、素早く拱手する。
「これは劉備殿」
合わせて拱手すると、微笑んだ。
「こんにちは、周瑜殿。……矢が足りないそうですねー?」
「はい。……諸葛亮が三日で10万本用意する、と」
うーん、まあこれは取り繕っとこうかな?
魯粛さんのお陰で第分と緩和されてるけどそれでも警戒解かれてないだろうし。予想外の大徳らしくなさでもっとあれだし、うん。
同盟しっかり組んでからてへぺろって謝ればいーよね☆
「三日、で?……え、本当ですか諸葛亮?」
驚いた!
っとばかりに隣の諸葛亮を見る。
はい、と頷いた諸葛亮が余裕の笑みを湛えた。
「はい。本当ですよ殿。出来なかった場合は軍規に照らして頂きます」
「……ぐんき、って」
慌てて周瑜さんに視線を戻す。口を開いて、また閉じた。
わずかに眉を下げてみせる。
「…申し訳ないですが、……軍規ですので」
「……そう、ですね。…わかりました」
無理矢理に笑顔を作ったような顔をして、頭を軽く下げる。
「それでは。……ご武運を」
書簡を抱えて廊下を渡り、また暫く歩く。
随分離れたところで、ふぅ、と息をついた。

我ながら名演技!!!

うっひょひょーい!結構楽しかった!
やーやー、かみなりこわいよー以来の頑張りだね!
ごめんねしゅーゆさん!悪気はないんですいつか謝るからゆるしてっちゃ☆

……濃霧の兆し、ねぇ。
「いまいちわかんないですねぇ…」
「…何がだ?」
後ろを振り向いた。
「……びっくりしたー。孫権さんじゃあないですかー?」
「何やら悩んでいるようだったからな。声をかけてみた。……いけなかったか?」
「全然大丈夫ですよ?空を見て天気がわかるって言いますけど、全然わかんないって話です」
廊下の外に目を向けると、孫権さんがつられて空を見た。しばらく観察した後、しみじみと頷く。
「…確かにわからんな」
「ねー。…ホントに分からない」
濃霧だったり東南だったり。
雨とか、晴れとか?
うーん、お天気は人の生死も操ってみせるんだから恨めしいね☆
「まー分からなくても代わりに優秀な軍師さんがいるから教えてくれますね!……あ、そういえば城下に美味しい肉まん屋さんがあったんですけど、明日辺り行ってもいいですか?」
空を見ていたのを孫権さんに戻して、首を傾げる。
不意を突かれたような顔をした孫権さんが、ああ、と相槌を打った。
「良かった良かったー!…ちょっと文送らないといけないので失礼しますね?」
「ああ。送ってやるといい」
はい、と勢い良く返事をして、再び廊下を歩き出した。






。。。。。。。。
おなかまっくろっていう話。
……次はちゃんと書きたい!
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