アプローズ記念日 前編

ニャンニャンニャンのひ大遅刻。

。。。。。。。。。

信じられない気持ちで銅鏡を見る。
内心の動揺を表すように、黒い猫耳はぴこぴことゆれた。

「おーまいごっと!」

よーせーさん、よーせーさん、あはあはあははっはー!
って言ってる場合じゃないんですがそれは……。
脳波を完治して動くやつ有りましたよね。でもこれ、…え?これ、感覚あるんだけど…。
ズボン的なものから覗くしっぽを引っ張る。
痛い。なにこれちょういたい。

っと、とりあえず落ち着こう。今日の日付は?

――2月22日

あ、そゆことですねー?了解しました!

うんうん、と半ば逃避気味に頷く。
……とりあえず朝ごはん食べよう!


「っな、なんじゃこっりゃああああああ!!!!!」

場内に響き渡る大声。
キーンとする耳に顔をしかめ、はぁ、と息をつく。
翼徳もですかー…。
とりあえず合流しましょう!

できるだけ耳を隠すようにしながら廊下を早足で歩いていると、ふと背後から声がかかった。

「おい、劉備!」
「…呂布、……りょふ…?」

ねこみみだー!!
因みにぼっさぼさの墨色。

「どうにかしろ」
「いや、それが私にもわからんのだ。サプライズだとでも思っておくといい」
「さぷらいず、だな。……わかった」

ああこれもしかして武将全員に生えちゃってる感じだろうか。だとしたらもう収集かけたほうが早い感じですよねー?
よしじゃあちんきゅーか諸葛亮かどっちか探そう!んでちゃっちゃと集めてもらおう!

着いてきた呂布を引き連れてぐんしーずの自室を目指す。二人の部屋は近いのである。そっちの方が仕事上効率がいい。
狙われた時を考慮して割と近くに武将何人か置いてるけどシャッシャッホウで風邪起こしたり雷おこしたりする程度の能力と不思議な書簡を広げるだけで兵を召喚、いざとなったら軽功武器で自ら殺りにかかる程度の能力という素晴らしい軍師だからなー。
だいたい自分でなぎ倒すんだろうなー。

遠い目をしていると、会話が聞こえてきた。
「これは猫、猫の耳ですな?諸葛亮殿、いかがしましょう?」
「珍妙ですが何者かの策か呪いか……と言うのは考えづらい、ですね……」
「やはりとりあえず、とりあえずは案ずる必要など無いでしょうなぁ?」
「ええ……とはいえ、あまり長く続くようでしたら…」
…やっぱりあの二人もなんですねー?
「陳宮、諸葛亮!」
あ、ふたりとも黒か。全員黒なんて面白みがな……ゲフン。
いや髪色依存らしいのはわかったけども。
「やはり、ですか…」
「こうも全員となると、逆に、逆に面白くなってきましたなぁ?」
それでいいのか軍師ー!
「とりあえず武将達でも集めて、今日一日様子を見ようと思うのだが、大丈夫か?」
「そうしまs「兄者ーっ!」
ドダダダダッ。けたたましい足音で翼徳が走ってくる。「こら走るな翼徳!」遠くから雲長が叫んでるけど、そういう雲長もわりと走ってるなんてそんな無粋なことはね!言わないよ!
あ、やっぱりどっちも黒です!

「翼徳!雲長!やっぱ猫耳!」
「…へ?なんだ兄者達もか?」
「そのような気はしていたのだが…やはり、か」

もう驚かなくなってきた。自然にみんなで迎え入れる。
みんなしてうんうん唸っていると、向こうから趙雲が走ってきた。

「殿!猫です!」
猫耳ね。猫じゃないよ。
「趙雲、猫ではなく猫耳と尻尾、だ」
「すみません…」

「……」
これまで不満気な顔でムスッとしていた呂布が顔を上げる。
そしてつぶやいた。
「貂蝉!」
虚空を見つめて。
え、ちょっと怖いんですが……。
なんて思っていると、その方向から貂蝉さんが現れた。
「奉先様!ああ、皆様もこのような……」

「貂蝉殿は白、白ですなぁ?」
「髪色依存かと思いましたが…」
「女性は例外なのかもしれないな?」
「色についてはよく…?」
呂布の貂蝉さんレーダーの精度に思いを馳せつつ、同時に色についてくだらない議論をする。月英さんも見てみてもっかい考えよう、という結論に至った所で、イチャイチャしていた呂布が言った。

「尻尾が邪魔だ」

ごもっともである。多分みんな服の中に押し込んでるんだと思うけど、これが痛い。妥当とすると下の関係上あはんうふんになってしまうのでアレなんだよなぁ。

「色より切実な問題だな…!」
「そう、ですね…」
「失礼ながら、鎧は少々…」
「早急に、早急に解決せねばなりませんなぁ?」
「安価なものに穴を開ける、と言うのはいかがでしょうか?」
「どうにかしろ」
うん、漢軍みたいにお金があったら…!
でもね!我軍にはかねがねぇ!
「オ金……大事。ダメ、絶対……!」
「何故でしょう、そのような口調の方に近々会う気がします…」
未来が見えるのは諸葛亮な気もしますねー?

……っ?!


ッドーン!
大きな爆音と振動が走る。反射的に方向を確認する。
月英さんの、部屋の方。

「…月英、」
爆風の熱気に顔をしかめた。




。。。。。。。。。
ふっへへ大遅刻ですよ…!
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