返事はなくて構いません
『ウェルカム〜』の続き
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金属音とともに目の前の刀を受け止める。そいつを足払いで伸して後ろから狙ってきた一人を剣の一閃で薙ぎ払う!
んー、粗方片付きましたかねー?
……に、しても呂布さんつっよいなー。分かってたけど強い。兵が羽虫に見えます!
こんなこと思える辺り私乱世に染まってますねー。まあしょうがない、ですか、ね!
って、あれ?
「呂布!そちらではない!」
道一つずれてますよー!そっち行ったら伏兵仕掛けれられないでしょー?
そっちのほうが敵多いし、つい我慢できず行っちゃったんでしょうね!先周りして待ってれば戦えるって何回も言い聞かせたのに聞かないしー。
でもまぁ、それくらい計算済み☆何ですよねぇ。
「りょ、ふ、ど、の!」
呂布さんの目前に飛び出した陳宮さんが、呂布さんの脳髄に兵法簡をぶん投げた!
うっわぁいったそう。
不意打ちで食らった呂布殿が怒鳴る。
「おい陳宮!」
「怒鳴りたいのはこちらの、こちらの方です!策に従って下さいませ!」
「策など、俺の武の「呂布?」
まーたそんな事言ってー!呂布を制して元の道に引っ張る。陳宮殿が手助けするように呂布を押した。味方の兵が微妙な顔で私達を見ていたけども、仕方がないですよねー?
「俺に指図するな!」
「やれやれ…貂蝉殿に相談、相談せねばなりませんなぁ…」
「なっ」
「そうだな。貂蝉殿を心配させるのは心苦しいが、仕方がないだろう」
「……チッ」
呂布殿ふてくされた!ずんずんと正しい道に戻っていく。
二人で顔を見合わせて、くすりと笑った。呂布殿の手綱を握るのはやっぱり貂蝉さんですね!
「何をしている。速く来い!」
「呂布殿、総大将は、総大将は劉備殿なのですぞ?」
うーん。呂布さん劉備軍初陣だしー?この態度はまぁ仕方ないのかなーとは思うけど。いつまでもこのままにさせる気はないし。
「陳宮、陣に戻ってくれ」
とりあえずさっさと戦を終わらせてしまおう。
「かしこまりました。……呂布殿、くれぐれも、くれぐれも「ええいうるさい!」
……あの二人は漫才コンビなんです?
「…おい劉備」
「……なんだ?」
「暇だ」
「…我慢してくれ」
呂布さんはイライラしている。もう真っ暗なオーラが見えるもの!
でもそんなこと気にしちゃいられない。微かな行軍の音を聞き取ると、双剣を構える。
後ろにいる兵たちと呂布さんに合図した。
馬の嘶きとともに敵軍に突っ込む。一気に困乱したあいての数は、あっという間に減っていった。
…呂布さんの様子はどうかなー?
「…悪人面」
思わずぼそりと。それくらいに彼の顔は凶悪だった。今朝貂蝉さんにデレデレしていた顔とは似ても似つかないね!やっばいこのゴキブリ怖い!
「た、退却ー!」
武具の音を姦しく響かせながら軍が引いていく。沢山の兵達の合間に見えた総大将の顔はこれ以上ないほど引き攣っていた。
……この戦、勝ったな。
「呂布、戻れ!」
存分に暴れ終わっただろう。後はもう陣に戻るだけですよー?
「……」
あれ?不服そうだけどなんか素直にいう事聞いた!どゆことなの?
えー、うん?いや良かったんだけどなんかすっごく意外ですねー…?
呂布さんはちらりと私を見た。
「策、というのも、」
悪くないかもしれん。
「…その言葉、陳宮に言ってやってくれ。きっと喜ぶ」
「…………フン」
返事はなかった。それでも私は確信している。
呂布さんの中で、何かが確実に変わり始めたと。
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最初とは文章の漢字違いますね。今後は多分こんなかんじで行くと思います。