▼君への仕返し
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任務が終わり屋敷に戻る。一目散にヒロインの名前の匂いがする方へと走っていくと、ヒロインの名前は縁側ですよすよと寝息を立てて気持ちよさそうに眠っていた。衣類を畳んでいる最中に寝てしまったのか、手ぬぐいやら寝間着やらに囲まれている。

ヒロインの名前を起こさないように静かに近寄り隣に腰掛ける。風でなびく髪がくすぐったそうだったので指でさらりと退かすと、ヒロインの名前は俺の名前を呼んだ。


「起きてんのか?」


そう言ってもヒロインの名前は瞼を開かない。夢の中に俺が出てきてるのかと思い、にやける口元を手で隠した。ヒロインの名前は世話焼きで俺に対していつも走ったら危ないだの、ゆっくり食べろだの、風呂から出たら髪を乾かせだの口やかましいが寝ているとその顔立ちの良さが際立つ。


「…早く起きねぇと食っちまうぞ」


無意識に伸ばした手を引っ込めて、俺はヒロインの名前にそう言った。まあ、寝てるから聞こえてねぇけど。綺麗な顔してんな、と見ていたら思わず触りたくなってしまった。

ってこんなこと考えてる俺なんて俺じゃねぇぇぇぇ!!!!ヒロインの名前といるとホワホワするし、
なんか調子が狂うんだよなぁ。なんて思いながらヒロインの名前の頭にぽんと手を乗せて気付いた。こいつにやけてんじゃねぇか。


「いつから起きてた?」

「早く起きねぇとって言われた時に」

「……」


最悪だ。そう思って俺は溜め息をついた。するとヒロインの名前は嬉しそうにクスクス笑い始めたので、俺は笑ってんじゃねーよ、とヒロインの名前の額をを小突いた。


「伊之助になら、いいよ」

「…お前、そういうとこあるよな」

「え?そういうとこってなに?」


こいつは無意識に俺のことを掻き乱していく。俺は再び溜め息を付いてから横になったままのヒロインの名前に覆いかぶさった。逃げられないように両手を握るとさすがに焦ったのかヒロインの名前の瞳が揺れた。


「い、伊之助?!ちょっと待って!!」

「いいって言ったのはヒロインの名前だろ?」


そう言って俺はヒロインの名前の首筋に軽く噛み付いた。びくりと体を震わせるヒロインの名前に我慢が出来なくなり唇を舐めると、ヒロインの名前は顔を真っ赤にしながら困惑している。


「お前もそんな顔すんだな」

「あ、当たり前でしょ!もう離して!」


嫌がる素振りとは裏腹に、ヒロインの名前は手をぎゅっと握ったままで逃げようとしない。まただ。また俺はこいつのせいでホワホワしやがる。

俺ばっか調子が狂わせられっぱなしなのは性にあわないからな。たまには俺が困らせたっていいだろ。そう思い、俺は恥ずかしそうにするヒロインの名前に口付けを落とした。


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