ひとりぼっちが怖かった


「何が、同じなんだろ」
私のつぶやきは部屋の静けさに飲み込まれた。
あの後、帰路についた私はそればかりが頭を支配していた。
自室のベットに身を沈め、大きなため息をつく。
どれだけ考えても答えが出ないうえに、大きな拒絶を受けたのだというショックに私は焦っていた。
何かしてしまったんだろうか、辛いことがあったのかな、何か思い出してしまったのかな。浮かんでは消えていく考え。
同じ様な答えの無限ループ。
どうすれば、とばかり考えてしまう私の視界に、携帯電話がうつりこんだ。
躊躇しながらもそっと手を伸ばし、藤堂平助と登録されたのアドレスを開く。
彼に直接聞いてしまえば、何にせよ謝らなければ、画面を見つめ、それでもまだボタンを押すと言う単純で簡単な動作ができない。
もし、お前は要らないと、もう近づくなと、あの人の口からそう言われたら、考えるだけで胸にぽっかりと穴があいたようで、目頭が熱くなる。
どれくらいそうしていただろうか。
真夜中を伝える時計の音が遠くから耳の奥に響く。
すでに真っ黒に染まってしまっている画面にむかって小さなため息を吐いて、
私はそっと、携帯を閉じた。



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