舌先の飴



「大丈夫だよ、全然疲れ

てないし」

にこにこしている私を見

て、平助も安心したよう

に笑みを浮かべた。


「ならいいけどさ。何か

あったら無理すんなよ?



うん、としっかり返事を

すれば、満足そうに頷い

た。

そして、何やら手元をご

そごそと動かし、私に視

線を戻す。

「口開けろ」

唐突なその言葉に首を傾

げれば、いいから、と急

かされる。

流されるままあんぐりと

口を開けば、平助は手元

の何かを私の口の中に優

しく投げ入れた。

丸い物を感じた直後、全

体に甘さが広がってくる



「いつでも俺の事頼れよ

な!」


にっと笑いながら私の前

から走り去り、友達の元

へ向かう平助。

舌を転がる飴玉が異様な

までに甘く感じて、溢れ

る感情によって浮かんだ

笑みを抑える事は出来な

かった。




to be continue





  戻る


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -