舌先の飴



ふと、鳴り響くチャイム

の音で目が覚める。

ぼんやりと霧がかったよ

うな頭で今の状況を把握

すれば、授業中に寝てし

まったんだと思い出す。

チャイムが鳴った直後に

も関わらず騒がしい教室

。少し早めに授業が終わ

ったんだろうか。

次第に覚醒してきた頭を

、うずめていた腕から上

げて正面を見る。

その瞬間、視界に大きく

、くりくりとした瞳がうつる。

それは紛れも無い平助の

もので、私は驚きから固

まって動けなかった。

「うわ!ご、ごめん!」

ぱっと離れた平助。

近かった距離が遠ざかっ

た事に安堵しながらも、

少しだけ平助の頬が赤く

なっている事に驚いた。

ぽーっと平助を見つめて

いたからか、平助はまた

ほんの少し顔を近づけて

心配そうに私を見る。

「お前、疲れてんのか?」

授業中もずっと寝てたし

さ、

頬を掻きながら、また少

し距離をとる平助。

心配してくれた事が何よ

りも嬉しくて、私は笑う





next→




  戻る


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -