緑間くんの手は死人の様ですね。と少女がいつもと変わらぬ無表情で言う。
少女には感情という大きなモノが抜け落ちている。
しかし声音は何だか楽しそうに聞こえる。

少女に死人の様な手だと言われた青年、緑間も感情の抜けた無表情で言葉を返した。
白いからか。と。
自分の手が普通の人より白いことを青年なよく知っていた。

少女は首を振る。
そして答えを返す。
だって、緑間くんの手は安楽という名の死をくれるでしょう。と。

青年は小首を傾げて少女の首に手を掛けて返事をする。
それだと、俺の手は死人というより死神なのだよ。と。

少女は納得がいったのか頷いて言葉を紡いだ。
そうそう、それです緑間くん。と。


それが少女と青年の最後の会話。


end




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