広がる実力と隙間



自分には絶対に連れ合う事はない。
うらやましいと思う。
どうしたら貴方みたいに強くなれるの?
自分では無理なのは分かるがどうしても越えてみたい。
夏侯惇よりも強くなりたい。
自分は戦闘向けに鍛練はしているだけど夏侯惇よりは性能は劣る。
実力はほとんど変わらない。
なのにどうして負けるんだろうか?
経験の差かな。
夏侯淵は悩む。

「なあ、惇兄…」

夏侯淵は夏侯惇に話かける。

「何だ?」
「どうしたら惇兄みたいになれるのかな?」

夏侯淵の問いに夏侯惇は困惑した。

「何だいきなり?」
「俺は弱いから…」

頭を垂れて呟く。

「今日はどうした?さっきから様子がおかしいぞ?」
「やっぱりすごいんだな惇兄は指揮官として役立つけど俺は、そうじゃないから…」
「何か言われたのか?」
「俺は惇兄にとって役に立たない。足を引っ張っているから、だから弱いんだ」
「淵!」

夏侯惇はおもいっきり夏侯淵の頬を平手打ちする。
叩いた音が空間に響く。
夏侯淵は夏侯惇に叩かれた事に一瞬遅れて反応する。

「惇兄?」

叩かれた場所を手で覆う。

「周りがどう思うと俺達には関係無い。お前は俺の部下で相棒だ、そして俺が愛しているのは淵だけだ」

夏侯惇は強く強く夏侯淵を抱き締めた。

「惇兄…」

夏侯淵は嬉しかった。
痛みを忘れるほどの夏侯惇の言葉に嬉しくて大粒の涙を流す。

「先ほどは叩いて済まない淵…」
「俺の方こそ、ごめんな」

やっと夏侯淵に笑顔が出てきた。

「愛しているよ淵…」
「俺も好きだ惇兄…」

二人は抱擁して愛を確かめるように口付けを交したのであった。





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