快楽神経



内臓をダイレクトに揺さ振られる、その苦しさ。

排泄の為の孔に熱の固まりを押し込まれ、夏侯淵は小さく喘いだ。

身体を満足に動かせないのに、下肢は持ち主の意志を裏切って時折ヒクリと痙攣する。

その度に銜え込んだ雄を締め付け、その刺激に奥まった場所が更に痙攣を繰り返す。

漸く身体が落ち着きを取り戻すと夏侯惇が乱暴に夏侯淵の腰を揺さぶり、またソコが痙攣を起こす。

その悪循環の繰り返しだった。

目眩がする。

「淵、苦しいか?」

苦しいに決まっている。
しかし尋ねてくる夏侯惇の声に心配の色は微塵も、ない。

「直ぐに良くなるぞ…」

夏侯淵の雄をやんわりと握りしめながら、先端を指の腹で磨り潰す様に強く擦る。

生理的な快楽が下肢に集まるが、それでも身体は苦痛に満たされている。

自分の身体は、男を受け入れる様には出来ていないのだ。

ああ、苦しい。

苦しさに、のた打つ身体。

息も儘ならず、喉から漏れるのは苦痛の喘ぎ。

苦しい、苦しい、苦しい。

「淵、気持ち良い?」

うっとりと呟きながら内を貪る夏侯惇。

気持ち良い訳がない。

苦しいだけだ。

自分の身体は、男を受け入れる様には出来ていない。
苦しい。

「良い声だ…」

ココもこんなに硬くして。
嬉しそうに嗤う夏侯惇に身体がまたビクリと跳ね、内に潜り込んだ肉を締め上げる。

そんなはずはない。
これは苦痛だ。

快楽のはずがない。
苦しいのだ。
違う。

「あ、あ、んあっ」

熱い塊を抜き差しされる度に、恐ろしい程の快楽が夏侯淵の背筋を駈け昇って行く。

口から漏れるのは、隠し様もない快楽に満ちた嬌声。
耳を打つ淫らな音。
己の放った白濁の花蜜が肉と交ざっていやらしい音を響かせている。

嬲られて貫かれ、快楽にのた打つ、身体。

「淵、またイキそうか?」

耳元に囁かれた瞬間、夏侯淵は何度目かも解らぬ絶頂を迎え、欲望の証をぶちまけた。

「またイったな…」

ねえ、気持ち良い?

ああ、苦しい。
息が出来ない。

内臓を揺さ振られ、あり得ない場所に限界まで膨張した同じ雄を受け入れて。

苦しい。
苦しい。
苦しい。
クルシイ。

「…キモチイイ…」

快楽に朦朧としながら、夏侯淵は己を貪る夏侯惇の身体をいとおしげに抱き寄せた。





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