あなたを愛する為だけに生きれたら



※無双5ネタ


今回の衣装は斬新と言うかなんと言うか。
その人物にあった衣装をデザインしたのが誰なのかは想像は出来た。
この国の主である曹操と美になにかしらのこだわりを持っている張コウであった。
新しい衣装を与えられた面々は様々な反応を見せた中で一人だけ不満げな態度を現していた人物がいた。
「何で、俺だけ腹部が全開なんだよ!」
夏侯淵は白い服に紺色の袴だが、腹部には布がない。
だから惜し気もなく腹毛を晒した腹を外気に晒している。
「それにこの服ってなんか着にくいぞ…」
僅かに胸元は隠されてはいるが紐で留められているようなもの。
激しい動きに耐えられるかが微妙な処だ。
この衣装を着てから何故か周りの視線が気になる。
やはりこの出っ張る腹部に視線がいくのであろうか?
最初に見た夏侯惇は何故か鼻血を垂らしていたのも気になる。
夏侯淵は張コウの部屋を訪ねた。
「将軍、お元気ですね」
「張コウ…」
「やはりその衣装を着て下さったのですね。凄く似合います…」
「お前に聞きたい事があった」
「何ですか?」
「どうして俺はこんな衣装何だよ?」
夏侯淵は張コウに不満をぶつける。
「何故って、貴方の素敵な男の部分を見たかったのです」
(正確には貴方の肌を見たかったと言うのは本音ですけど…)
張コウは御機嫌な様子で答える。
「でもよー、俺の腹は鍛えられてないし、腹出てるし、腹毛は凄いし。どこぞかの猟師みたいだぞ…」
夏侯淵は自分の腹部を撫でた。
「おや、その絶妙な軟らかい腹部にダンディズムをそそる腹毛が男らしいと思いますよ」
「そうかな?」
「ええ…」
張コウの言葉に夏侯淵は何だか恥ずかしさと褒められて嬉しい感情が複雑に絡んでいた。
だが周囲の人間は夏侯淵の衣装を見て大半は顔を赤く染めるか鼻血を出したり、と様々な反応があったのも気になる。
「張コウ、やっぱりこの衣装は変だと思う。似合わないし…」
「そんな事ありませんよ。将軍にはピッタリだと思いますよ…」
張コウはニッコリと微笑む。
夏侯淵は張コウの笑顔に騙されていた。
夏侯淵の上半身の白い生地に覆われた胸は透けてみえる為か乳首の位置がまるわかりであり、触れただけで立っているのもわかる。
それに中央の紐を解けば簡単に脱げてしまうのだ。
この衣装が水に濡れたら妖艶な色気が現れると思うと夏侯淵を慕う男達には堪らないものがある。
「張コウ…やっぱりこの衣装だと風邪引くから別の衣装はないのか?」
「ありません。将軍にはこの衣装を着て戦場に出てもらいますよ…」
「そ、そんな〜」
「殿にも許可を得て制作したのですから着てくれますよね?」
曹操の許可が降りている以上は夏侯淵は逆らう事が出来ない。
「解ったよ…」
「将軍、嬉しいです!」
張コウは夏侯淵を抱きしめる。
そして夏侯淵の身体をなぞる指先。
「んあ…張コウ…っ」
「大好きですよ…将軍」
「張コウ…」
「貴方は魅力的なんで敵に襲われないか心配です」
「馬鹿な事言うなよ。俺なんかより張コウの方が魅力的だと思う…」
「私は外見よりも内面的に見ているのですよ」
「張コウ…」
夏侯淵は張コウを見つめる。
張コウはゆっくりと太股から尻に掛けて指先をなぞり続けている。
「いや…あっ、張コウ」
「夏侯淵将軍…可愛いですね。もっと私に可愛いい姿を見せて下さい」
「張コウ…んんっ!」
張コウは夏侯淵の胸元の紐をゆっくりと解いていくと夏侯淵の胸が露になる。
「んっ…あっ…」
張コウは夏侯淵の胸をなぞるように触れてくる。
「張コウ、やぁ…んっ」
「将軍、可愛いですね。もっと泣かしてみたいです…」
張コウは満足げに笑顔を浮かべた。
夏侯淵の身体は敏感に反応する。
その身体も心も自分のものにしたい。
張コウは夏侯淵を抱き上げると寝台へと連れていくと夏侯淵を寝台に寝かせて、その身体に覆い被さる。
「張コウ、止めろっ!」
「将軍、私は貴方が好きで仕方ないのです。だから私のものになって下さい…」
「張コウ…」
夏侯淵を真剣な眼差しで見つめる張コウに夏侯淵は応える事が出来ない。
仲間であるが故、慕ってくる張コウに、夏侯淵は安心していた部分があった。
夏侯淵は張コウから目線を反らしてしまう。
応えられないから真っすぐ見れないから余計に胸が痛んだ。
「将軍…私は貴方を愛しているのです」
「張コウ、俺は…お前の気持ちにどう応えてやればよいか解らないんだ…」
「将軍…」
「なら、一度だけ私のものになって下さい。それ以上は望みません…」
悲痛な思いを秘めた瞳が向けられる。
夏侯淵は張コウの身体を抱き寄せた。
「わかった…張コウ、すまない」
張コウの顔をゆっくりと頬を撫でると夏侯淵は張コウに口づけた。
「んっ…将軍、愛してます」
「張、コウ…んう…んっ」
夏侯淵は張コウの貪るかのような荒々しい口づけに翻弄されていく。
触れてくる温もりに夏侯淵は溺れていく。
互いに快楽を共有する。
それが報われない恋だとしても一度だけの交わりは忘れる事が出来ないものとなった。
二人の記憶に刻まれたのだから。
そしていつもと変わらぬ日々へと戻っていくのであった。





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