酒は飲んでも呑まれるな



夏侯淵が盛大に酔っ払った。
宴でどれだけ飲めるか飲み比べをした結果でデロデロであった。
此処まで酔った夏侯淵は久しぶりであった。
以前酔った時は張遼が夏侯淵の酒癖の犠牲になったが今回は誰が犠牲になるか解りかねない。
隣にいた夏侯惇は溜息をついた。
止めた処で男としての誇りが逃げる事を許さないらしく、夏侯淵は飲み比べで一応は勝ったらしいが限度を超える量を飲んだ為か隣にいた夏侯惇に抱き着いて離れない。
(此処まで酔うのは久しぶりだが、これはこれで良いな…)
普段はあまり甘えた仕種を見せない夏侯淵がべったりと抱きついて離れないのだから。
「淵、風邪を引くぞ…部屋に戻ろう」
「…惇兄、厭だ。側にいてよ〜」
「部屋に戻るだけだから心配するな」
「本当に…?」
「ああ…」
「なら一緒に戻るー」
夏侯淵はニッコリ笑って夏侯惇と共に部屋へと戻った。
夏侯惇に寄り添いながら夏侯淵はフラフラしながらも廊下を歩く。
「淵、もう今後酒は飲むな…」
「どうして?」
「フラフラになるまで飲むなと言っているんだ」
「解ったよ…」
夏侯淵はまるで猫のように夏侯惇にすりすりと懐いている。
「惇兄…」
「淵、どうした?」
夏侯惇は夏侯淵を見下ろす。
「…惇兄、抱いてくれ」
「おい、淵何を言っているんだ?」
夏侯惇は夏侯淵の言葉には驚きを隠せない。
どうしてそんな事を言ってくるのかわかない。
「ねえ〜惇兄…」
「え、淵?」
「俺が欲しくないの?いつも俺を熱い眼差しで見ていたのに…」
「お前…」
「俺が気付いていないとでも思った?」
夏侯淵はクスクス笑いながら夏侯惇の耳元で囁く。
「惇兄が良ければ俺を抱いてみる?欲しいんだろ…」
「淵、俺を誘っているのか?」
「ああ…俺も惇兄に抱かれてみたいな…」
「淵、俺を誘った事を後悔するなよ」
「後悔するぐらいなら誘ってないよ…」
「ふっ、そうだな」
「俺は惇兄に抱かれてみたいな…」
夏侯淵は夏侯惇にゆっくりと口づけをする。
「ん…」
触れてくる唇は吸い付くように柔らかい。
夏侯惇は待ち望んだ者の唇が自分のソレに触れている事が嬉しかった。
夏侯惇は夏侯淵の唇を貪るかのように触れ荒々しく咥内に舌を挿入して愛撫を施す。
「んっ、んん…んふっ…」
逃げる舌を追いかけて絡ませては強く吸う。
その好意を幾度となく続けた。
「ん…んあっ…はっ、惇兄…欲しい」
「淵、俺も我慢出来ない…」
夏侯惇は夏侯淵の部屋に入ると寝室に夏侯淵を連れて行くと寝台に押し倒した。
「淵…お前が欲しい…」
「うん、俺も惇兄が欲しいよ。今夜は俺がしてあげるよ…」
夏侯淵は寝台から上半身を起こすと自ら着衣を脱ぎ捨てる。
そして夏侯惇の着衣を脱がした。
「淵…」
「惇兄は何もしなくていいから…」
夏侯淵は夏侯惇に魅惑的な微笑みを浮かべると軽く口づけた。
「ん…」
触れるだけの口づけを終えると夏侯淵は未だに硬さを保っていない夏侯惇の陰茎を軽く握ると扱き始めた。
「んっ…淵…」
「俺が気持ち良くしてあげるよ…」
慣れない手つきで夏侯淵は夏侯惇の陰茎を口に含むと舌で舐め回しながら強く吸っていく。
「っは、はぁ…あっ」
夏侯惇は与えられる快感を素直に受けながら夏侯淵の舌の感覚を味わう。
ぬめる舌が動く度に夏侯惇の陰茎がビクビクと震える。
気持ち良い舌の動きが夏侯惇の理性を保てなくなっていく。
竿の部分を下から上へと舐めあげては先端の尿道口を舌先で突いては全体を吸っていく。
「淵、いいぞ…もっとだ」
「んん…んぶっ…んっ」
夏侯淵は強く吸いながら喉の奥まで飲み込み上下に頭を動かしていく。
その強い刺激には夏侯惇も耐えられなくなる。
夏侯淵は夏侯惇の陰茎の先端に爪を立てると夏侯惇は呻き声を挙げる。
「うっ…くぅ!」
夏侯惇は夏侯淵の咥内に吐精した。
夏侯淵は夏侯惇の精液をゴクリと飲み干した。
口を離すと、夏侯惇の陰茎に残っていた精液を舌で舐めて綺麗にする。
「気持ち良かったか惇兄?」
「ああ…」
「もうこんなに硬くして凄いや…」
夏侯淵はゆっくりと自分の尻に指先を伸ばしていく。
先走りで濡れた蕾に指を挿入して慣らしていった。
中に入れた指をバラバラに動かしては拡げていく。
「はっ、ああ…あっ」
夏侯淵の蕾を充分に慣らしていけばいつの間にか指が三本も挿入される程に拡がっていく。
「ああ…やっ…あんっ!」
夏侯惇はその様子をじっくりと眺めていた。
従弟が自分の目の前で淫らに乱れていくその姿を堪能する。
「入れるからそのまま動かないでね…」
夏侯淵は夏侯惇の陰茎を掴む。
夏侯惇の身体を跨がると夏侯淵は陰茎の先端を蕾へと押し付けた。
「ふっ、ああ…やっん」
夏侯惇の陰茎をゆっくりとだが飲み込んでいく。
「はぁ…はっ、惇兄のが中に入ってる」
「くぅ…なんて締め付けだ」
「今からもっと気持ち良くしてあげるからね…」
夏侯淵はニッコリと笑うとゆっくりと腰を動かし始める。
夏侯淵は夏侯惇の陰茎を抜けるか抜けないかのぎりぎりで差し抜きを繰り返す。
そして深く挿入する度に締め付けていく。
「ああっ…はっ、あん、いい…いいっ」
「はぁ…淵、気持ち良いぞ」
「本当、ならもっと気持ち良くなってよ…」
夏侯惇の言葉を聞いて夏侯淵は更に腰を動かし続ける。
締め付けながら更に円を描くような動きを加えながら夏侯惇を気持ち良くさせようと必死だった。
「淵、動くなと言ったが俺も限界だ…俺も淵を気持ち良くさせたい」
夏侯惇は夏侯淵の腰を掴むと下から突き上げた。
「ひっ、やああっ、ああっ、あんっ!」
夏侯惇の突然の行為に翻弄され夏侯淵は嬌声を挙げた。
「駄目だってば、今夜は俺がやるのに…」
「すまん、だが煽られてばかりで耐えられなくなった…」
夏侯惇は夏侯淵の感じやすい部分を集中的に突き上げていく。
「ふぁ…ああ、そこ、いいよ…っ!」
「お前は此処が弱かったな…」
夏侯惇はそう言って更に強く腰を突き上げていく。
きつい肉壁を書き分けて更に擦りつけていく。
「あっ、やっ…も、駄目っ」
「はぁっ、俺も限界だ」
夏侯惇は更に強く中を激しく擦る。
夏侯淵は自らの陰茎を扱いて絶頂へと導いていく。
「くっ、ああああ!」
「っ…うああ!」
二人は同時に絶頂を迎えた。
夏侯惇は夏侯淵の中へと熱を放ち、夏侯淵は夏侯惇の腹に熱を放った。
二人とも繋がった状態で荒々しい呼吸を繰り返す。
「はぁ、惇兄…気持ち良かった?」
「ああ…」
「いつもされてばかりだから…奉仕したかった」
「ああ、お前からされるのはたまには良いな…それにいつもと違った視点で楽しめたから」
「なら、またやってあげるね…」
「ああ…」
二人はゆっくりと口づけを交わす。
夏侯惇は唇を離した後、夏侯淵の腰を掴むと再び動き始める。
「なっ、嫌っあ、イッたばかりなのに…」
「俺はまだ満足してないから最後まで付き合ってもらうからな」
「やっ、ああ…惇兄っ!」
「愛しているぞ淵…」
夏侯惇は夏侯淵に呟くと激しく腰を動かしていく。
夏侯淵は夏侯惇に流されていった。
そして二人は互いに求め続けたのであった。





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