一人遊戯



月が満月になった夜、身体が熱を帯びてきた。
不思議な感覚が走る。
熱いのは身体の奥から発する。
だからこの熱は欲情の熱なのだと直ぐさまわかった。
曹操との接触からそんなに時間はたってはいない。
まさか彼に欲情を抱くなんてありはしない。
だけど燻る熱が引かずに身体に止まる。
どうしたらいいのかわからなかった。
寝台の上で考えていたが夏侯淵は誰もいないのだから触れても平気だと思った。
袴を脱ぎ下穿きを解いて自分の分身を取り出す。
外気に触れて分身は硬くなっていた。
竿の部分を掴み上下に扱いたり先端部分を指で弄る。
「んあ…、ふっ…あっ」
弄られる部分から快感が走る。
なんて気持ちいいんだろ。
もっと刺激が欲しい。
強く激しいまでに欲望を動かした。
「ああ、あっ、はっ、あんっ」
夏侯淵は甘い声を抑える事は無くただ快楽を欲した。
「イイ…んん…うっ」
夏侯淵が限界を迎えて、欲望から精を白い敷布に放った。
「あああっ…!!」
パタパタと精液が敷布を汚す。
夏侯淵は荒い呼吸を繰り返す。
「惇兄…早く、帰ってこないかな…」
「呼んだか淵…」
直ぐさま夏侯惇の声が聞こえた。
声がする方向を見ると夏侯惇が入口でニヤニヤして立っていた。
「惇兄っ、いつの間にいたんだ!!」
夏侯淵は慌てて自分の身体を布で隠した。
「いや、お前がずっと盛ってたのを知っていたが、まさか帰ってきたら自慰してるんだよな。まあイイものを見させて貰ったぜ…」
夏侯惇は夏侯淵に近く。
「見られてたなんて…」
夏侯淵は顔を赤くした。
「恥ずかしい行為じゃない、生きる為には必要な行為だ」
夏侯惇は夏侯淵の頭を撫でた。
「惇兄…俺…」
「淵…、今度は俺が満足する番だ」
夏侯惇が夏侯淵の身体を押し倒す。
「嫌だ…やめ…」
「今更、逃げるなよ…」
夏侯惇が夏侯淵の身体を隠していた布を剥がした。
「やあ…、見ないでくれ」
顔を赤くして身体を隠そうとするが夏侯惇に阻まれて出来なかった。
「まだ、元気そうだな…」
夏侯惇は夏侯淵の欲望を見つめて、呟いた。
「それとも、期待しているのか?」
「違う、してねぇから」
夏侯淵は反論する。
夏侯惇は夏侯淵の両足を広げると身体を割り込ませた。
「やだ、離せよっ!」
夏侯惇が秘部を慣らす為舌で舐め始めた。
「ああ…や、そこ、汚い…よ」
「…綺麗な色をしているな、此処」
夏侯惇は舌で舐めてはつつくと入口はヒクヒクとしてきた。
指を二本入れてわざと拡げようとする。
指を引き抜くと夏侯惇は己の欲望を入口に当てる。
「入れるから力を抜いていろ…」
「うん…」
夏侯淵は頷くとゆっくり力を抜いた。
夏侯惇は一気に腰を進める。
「ひっ、やあああ!」
夏侯淵の入口は裂ける事は無く夏侯惇の欲望を受け入れた。
夏侯惇は激しく貪るように夏侯淵を抱いていったのであった。
「ああ、惇兄ィ…イイ…そこ、もっと突いて!!」
夏侯淵が夏侯惇に喘ぎながらねだる。
夏侯惇は望むままに感じる箇所を突いていく。
「ひああっ…あんっ」
夏侯淵が喜びの声をあげる。
夏侯惇は激しく律動すり度に夏侯淵は感じた。
「もう…駄目、イク…」
「ああ、イケよ…」
夏侯淵が夏侯惇の動きに合わせて腰を動かして絶頂を促した。
「あっ、あっ、イイ、イクゥ…あああっ!!」
「くっ…!!」
夏侯惇は夏侯淵の中に精を注いだ。
夏侯惇はビクビクと身体を震わせて夏侯惇が精を出し終わりのを待った。
「ハア…、ハア…っ」
夏侯淵の身体からゆっくりと欲望を引き抜いた夏侯惇は夏侯淵に軽く口づけを落とした。
唇を離すと夏侯惇は呟く。
「落ち着いたか?」
「うん」
「一人にしたのがまずかったか?」
夏侯惇は舌打ちをした。
「何で?」
「まだ知らなくていい…」
「ちぇ、またはぶらかすんだ…」
夏侯淵は納得いかなかったが夏侯惇は無視した。
また一人で慰めてたら次は更に啼かせたいと夏侯惇は思った。
意外と可愛いからな。
「またしてやるからな…覚悟しておけ」
「惇兄の馬鹿…」
夏侯淵は恥ずかしくて夏侯惇に抱き付いたのであった。



終わり

prev next

 

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -