復讐と快楽



勝ち戦であったのにも関わらず、己の不甲斐なさに後悔が募る。
何故、こんな事になったのであろうか。
夏侯淵は敵軍である蜀の武将に背後から襲われた。
伏兵が忍ばせていたのに気づかなかったのがいけないのだろう。
油断してしまった。
反応するのが遅かった為に鋭い痛みとともに意識を失った。
そして気づいた時には鎖に繋がれた自分が牢屋にいると言う事だった。
意識が覚醒してからも頭を撲られた為か頭痛がする。
どうやら五体満足で生け捕りにされたようだ。
でも何故、生かす必要があるのであろうか。
解らない。
蜀の者達にとって自分は捕虜だ。
政で取り引きされるかそれとも侮辱される為に生かされたのか。
とにかく、生き延びないと。
仲間がいつ助けにくるかもしれない。
それまで体力を温存するしかない。
夏侯淵は溜息をついた。
さてこれからどうするかだ。
すると牢屋の入口に人の気配がある事に気づいた夏侯淵は目線を扉の方へと向けた。
鍵が開かれ重い扉が音を立てて開かれた。
そして一人の男が牢屋へと入ってきた。
夏侯淵は警戒しながら男を黙って見ていた。
「目が覚めましたか夏侯淵殿…」
「貴様は誰だ。俺をどうする気だ?」
「そんなに威嚇するような物言いをされても無駄ですよ…」
男はクスクスと笑っていた。
「名乗るのが遅くなりましたね。俺は馬伯瞻と申します…馬岱とお呼び下さい」
「馬岱、どうして俺を生かす。何故殺さない…」
夏侯淵は馬岱と名乗った男に問い掛けた。
馬岱はクスクスと笑っている。
「夏侯淵殿を捉えたのは個人的な理由で生かしたまま捉えた」
「個人的な理由だと、ふざけてるのか?」
「ふざけて等おりませんよ…全ては我が一族の復讐の為に貴方は生かされた。この意味が解りますか?」
「復讐…何故だ、俺はお前に復讐される覚えはないぞ?」
夏侯淵は馬岱に問い掛けた。
「本来なら貴方の主君である曹孟徳に復讐するべきだが、彼を捉える事が出来ない。並ば血縁である貴方を捉えた方が手っ取り早いもので…」
馬岱は夏侯淵の顎を掴むと自分の方へと向けさせた。
「我が一族は曹孟徳によって滅ぼされた。生き残りは極僅かだ、一族の復讐を貴殿で晴らさせてもらおうかと考えたのです…」
復讐を誓った男は夏侯淵を見据えながら呟く。
「俺をどうする気だ?」
「勿論、復讐の為に生かす必要がある。だが、その身で味わってもらおうか。一族が受けた苦しみを…」
「馬岱、復讐なんて止せ。虚しいだけだ…」
「黙れっ、貴様に何が解る。一族の者がどんな目にあい殺されたか」
「………っ」
「貴様には屈辱を味わってもらおうか」
馬岱は夏侯淵を床に押し倒した。
「あぐっ…うぅ…」
突然な行為に受け身を取る事もできず、背中をたたき付けられて走る痛みに夏侯淵はうめき声を挙げた。
両腕が枷をつけられた状態では抵抗する事も出来ない。
馬岱は力任せに夏侯淵の着衣を破った。
「!」
馬岱はいとも簡単に夏侯淵を一糸纏わぬ姿へとさせた。
「止めろ、馬岱、こんな事をして何になる!」
「五月蝿い、黙れっ!言った筈だ。あんたを屈辱を与え辱めるんだよ」
馬岱は夏侯淵の身体俯せにして覆い被さる。
「くっ、止めろっ!」
背後から伸びる手が夏侯淵の陰茎を強く掴む。
「うぐっ…やぁっ!」
「大人しくすれば優しく抱いても良いが。抵抗するならば容赦しない…」
「俺はこんな事をされてもお前になんかに負けないっ!」
夏侯淵は馬岱を睨みつける。
その誇り高い自尊心をズタズタにしてやりたい。
汚れていないその瞳が快楽に染まるのを見てみたい。
夏侯淵の陰茎を軽く扱いていく馬岱。
夏侯淵は強制的に与えられる快楽に抵抗しようと声を抑えようと唇を噛み締めた。
「……っ」
「素直に感じるまま声を出せばいい。辛くなるぞ…」
唇を噛み締めていた夏侯淵に対して馬岱は耳元で囁くと耳をなぞるように舐めあげる。
そして、ゆっくりと胸の頂きを指先で捏ねくり回す。
時折、指先で摘んでは捩る動作を入れる。
馬岱は的確に夏侯淵に快楽を与えていく。
陰茎からは先走る体液が滴り落ちていく。
「意外と敏感なんだな。あんた…もしかして男に抱かれ慣れているのか?」
馬岱は夏侯淵に問い掛けるが夏侯淵は答えようとはしない。
「まだ抵抗を続けるか。その抵抗がどこまで続くか見物だな…」
馬岱は夏侯淵の陰茎を扱いていく。
敏感な場所を愛撫される度に夏侯淵の身体はビクビクと震える。
声を出すまいと必死になって抑える夏侯淵に対して馬岱は亀頭の割れ目に爪を立てた。
「んんっ〜!」
夏侯淵は耐え切れずにビクビクと震わせて射精した。
ポタポタと床に白濁液を撒き散らした。
荒々しい呼吸を繰り返す夏侯淵からは力が抜けてぐったりする。
「あっさりとイってしまったようですね。もっと俺を楽しませてくれよ…」
「もう、止めろ…満足だろっ!」
「何を言う、これからだと言うのに止める訳ないだろ…」
夏侯淵の尻を高くして臀たぶを拡げると隠れた蕾が露になる。
馬岱は高ぶる陰茎を取り出すと夏侯淵の蕾に宛てがった。
「やっ、何をっ、止めろっ!」
「いい声で唏けよ…」
馬岱は慣らしていない蕾に一気に腰を進め陰茎を沈めていく。
「うぐ、あ゙あ゙―――っ!」
夏侯淵は引き裂かれる痛みに悲鳴を挙げた。
慣らされていない蕾は馬岱の陰茎を受け入れられずに入口は切れて鮮血が滴り落ちて床を赤く染める。
「流石にきついか。それにしてもすげえな、こんな太いのが飲み込めるとはな…やはり、あんたは男を知っているな」
「頼む、抜いてくれ、痛い…」
夏侯淵は涙を流して馬岱に懇願するが、馬岱は陰茎を抜く様子はみられない。
「何を言う、これから楽しませてもらうぞ…」
馬岱は耳元で囁くと律動を始めた。
「ひい、やっ、痛いっ、止めろっ…!」
ぎちぎちと締め付ける秘肉を掻き分けるかのように馬岱の陰茎は奥まで犯していく。
流れる血が潤滑油の代わりとなり、滑りが良くなる。
「うああ、ひいぃ、やあっ!」
夏侯淵は貫かれる痛みに悲鳴を挙げた。
馬岱は夏侯淵の身体を乱暴に揺らし犯していく。
肉体がぶつかり合う音とグチョグチョと卑猥な音が牢屋に響いた。
夏侯淵はあまりの痛みと苦しみに息をするのも辛いようだ。
「痛いと言う割には此処が立っているな…」
馬岱が夏侯淵の陰茎に触れる。
「ひゃっ、ああっ、あう!」
夏侯淵の陰茎は硬さを取り戻している。
馬岱は夏侯淵の陰茎を扱いて愛撫を与えていく。
「んっ、んう、あっ、はぁんっ!」
陰茎に刺激を与えられると夏侯淵の口から引っ切り無しに嬌声が挙がる。
「良い声だな。もっと唏け…」
「はっ、ああ、あんっ、やああっ!」
敏感な身体は快楽を感じるようになり、さらに夏侯淵は淫らになっていく。
自ら腰を動かし快楽を得ようとする。
そんな姿を見た馬岱はクスクスと口元を歪め笑う。
「気持ちいいか…?」
「ああ、良いよ…もっとぉ」
夏侯淵は快楽に耐えられずに素直に受け入れてしまう。
快楽に堕ちた夏侯淵に馬岱は満足した。
馬岱は更に激しく腰を打ち付ける。
「あっ、はぁ…凄いぃ。ああ、あんっ!」
「本当にやらしいな。だがあんたを捉えて正解だったな…」
予想以上の収穫に馬岱は笑みを浮かべた。
馬岱は夏侯淵の最奥に欲望を解放し注いでいく。
「ああ――――っ!」
夏侯淵は注がれる熱を感じながら絶頂を迎えた。
痺れるような快感を全身に広がり、夏侯淵は気を失い床に崩れた。
馬岱は萎えた陰茎を引き抜くと白濁と血液で濡れる蕾はヒクヒクして蠢いていた。
気を失った夏侯淵を仰向けにして馬岱は夏侯淵を抱きしめる。
「…夏侯淵殿」
青ざめ、涙に濡れた頬を撫でる。
復讐の為に捉えたのに。
逆に彼に心を奪われてしまった。
この男を手放したくないという思いが強くなる。
どうしてこんなにも胸が痛むんだろうか。
愛しい身体を抱きしめ、馬岱は意識のない夏侯淵に口づけを落としたのであった。





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