操仁
夢を描くのは人に生まれたから。
自分も人であったら良かったのに。
羨ましかった貴方が。
どうした自分は無様なんだろう?
貴方の傍に居られたらどんなに良かったのに。
苦しみ悲しみ痛み全てを分かち合えたら良かったのに。
それさえも出来ない。
だから別れが来る時、貴方は私を想い涙を流すでしょう。
そんな姿を見たくはない。
ただ貴方の為だけに。
自分は貴方に誇れる武将として生きなくてはいけない。
「子孝…」
「どうしました、殿?」
「お前はどんな事があろうとも儂は子孝だけを愛しておる」
「殿…」
嬉しかった。
その一言があれば悔いは無い。
「私はいつまでも貴方の傍に…」
この世界が終わりの時が来ても私は最後まで貴方の傍に。
「子孝、愛している」
「孟徳、私も愛してます」
私は貴方の為ならこの命差し出しても構わない。
曹仁は曹操に優しく微笑んだのであった。
終
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18th.Jun.2011
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