例外は認めない (1/2)


「白石くんって彼女おらんの?」
「何や自分いきなり」
「いやだってさ、そんなにイケメンやのに彼女おらんとかさ…全国の男子に失礼やん?で、どうなん?」
「おらへんで…めっちゃ言いにくい空気作ってくれたところ申し訳ないけどな」
「…嘘や!」
「嘘言ってどないすんねんこんなことで」

同じクラスの桐島さんとはこの前の席替えで隣になって以来よくしゃべる。
というのも、彼女は俺の隣に席を移動させるなり一言、「やっぱイケメンやな〜」と言い放って俺の顔を眺め始めたのだ。
これでうっとりした表情だったり頬を赤らめていたりしていたら、俺の中の苦手な女子リストに即登録されただろうが、桐島さんの表情は真顔を通り越して無表情、本当に俺のことをイケメンと思ってるのかおちょっくってんちゃうかと言いたくなるようなもので、思わず吹き出してしまい、俺は俄然彼女に興味が湧いてきたのだ。
話してみるとやはりおもしろい子で、テニス部の奴らとも意外に仲が良いことがわかり、テニス部に興味があるものの他の女子のようにミーハー的な興味ではなく、彼女曰く、「類が友を呼びまくってる天に二物も三物も与えられた集団の秘密に迫りたい」という何だかよくわからない動機からくるものらしく、それがあいつらにもウケているらしい。
そしてそんなことを言いながらも俺達のことを普通に見てくれ、普通に接してくれる桐島さんに俺は少なからず好意を抱いていたりする。

「そういう桐島さんこそ彼氏とかおらんのか?黙ってさえおったら充分かわいい方に入るやん自分」
「んー、今絶賛彼氏募集中だよー。てか白石くんにかわいいなんて言われちゃったー由起奈嬉しー」
「…そのしゃべり方超絶似合ってへんで」
「うっさいだまれわかっとるわ自分がかっこいいからって何言っても許されると思うなよ」
「そんなん思ってへんわ、てかさっきから何やねんほんま」

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テーマ「人外ファンタジー」
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