お返しは、 (1/5)


ある日の3年H組の教室。
朝練を終えた忍足が教室に来ると、あることに気付いた。

「あれ、最近由起奈耳当てつけてないんやな」
「ああ、1週間くらい前に壊れちゃったの」
「新しいの買わへんのか?寒いやろ」
「うん、でもねー、前のと同じ白いふわふわの耳当てが欲しいんだけど、100均だと柄入りのやつしか売ってないし、大きすぎてサイズ合わないの。かといって気に入ったやつは1500円とかするしねー。何か耳当てにそんなに出すのってもったいなくない?だからつい100均で見つけたくなっちゃって、買ってないの」
「そんなん跡部に言ったらええやん。由起奈がかわいくお願いしたら一発やろ」
「かわいくお願いなんて柄じゃないし…それにさ、跡部に言ったら何か簡単に最高級品とかくれそうでさ…怖くて言えないよ!」
「自分、何かえらいなぁ。金銭感覚がマトモというか…」
「みんながおかしいんだよ!特に跡部くんなんか、私がちょっとでもあれが欲しいとか言ったら、次の日にはすぐくれるんだよね、しかもバカみたいに高いものばっかり!」
「跡部らしいけどな」
「だから忍足くん、絶対に私が耳当て壊したとか跡部くんに言っちゃダメだよ!私なんかのためにそんなにお金使うことないんだから」
「わかったわかった」

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