カナワナイ (1/5)


放課後の教室。
私は友達の美優達と恋バナで盛り上がっていた。
私はいつもうまく逃げて、聞く側専門だったんだけど、どうも今日はそうはいかなかったらしい。

「で、あんたは好きな人いないの?」
「え〜、言わなきゃだめ?」
「だめだよ、いつも私らの話聞くばっかでずるいじゃん」
「いや、でもあんたら彼氏持ちの話なんてノロケと化してるんだからいいじゃん。むしろ聞いてあげてるんだから感謝してよ」
聞いてて楽しいから別にいいけど、とはコイツらには言ってあげない。

「でも私、由起奈の恋バナ聞きたいな〜」
「私も私も!!で、どうなのよ」
「何が?」
「だーかーらー、好きな人いないの?」
これ以上無理だなと判断した私は仕方なく話すことにした。
「いるよ」
「えっ、誰誰!? 私らも知ってる奴!?」
「あー、うん、知ってる奴」
「うそ〜!! 同じクラス!?」
「それは――」
私が答えようとした瞬間、思わぬ珍入者が現れた。

「へぇ、おまえにも好きな奴なんていたんだな」

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