不器用な2人 (2/3)


「由起奈、ちょっと来て」
放課後、帰ろうとしていたら精市に呼び止められた。
声をかけられて嬉しい反面、何を言われるのか怖くもあった。
別れ話、なのかな。

「何?」
「ねぇ由起奈、どういうつもり?」
「…何のこと?」
「日曜日、試合見に来てくれるって約束したよね。何で田村なんかと遊ぶ約束してるの」
「だって精市、私の応援なんかいらないでしょ」
「は、何言って…」
「最近一緒に帰ってくれない話もしてくれない他の女の子達とばっかり一緒にいて私とは目も合わせてくれない!!
どうせ私に飽きたくせに!!
私のことなんかもう好きじゃないくせに!!
もういい、精市と別れ…」
「わかれよ!!」

ダンッてすごい音がしたと思ったら私は精市と壁に挟まれていた。

「おまえ、田村がおまえに気があるのわかってるの?田村だけじゃない、他にも由起奈に気がある奴がたくさんいるってこと、少しは自覚してる?」
「そんなの知らな…」
「こっちだって必死だったんだよ!
由起奈に妬いてほしくてちょっと冷たくしたり他の女子に話しかけたりしたのに無反応だし、それどころか田村なんかとどんどん仲良くなっていって…先に目を合わせてくれなくなったのは由起奈だよ」
「私、もう精市に嫌われたと思ってた…」
「バカだな、俺が由起奈のことを嫌いになるわけないだろう?」
「…バカは精市だよ」
「俺だって、嫌われたかと思ったんだからね」
「ごめん」

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