両想い記念日 (2/3)


「確かに真ちゃんは好きとは言ってないけどさ、付き合ってに対してよろしくって返事したんだよな、ちゃんと成立してんじゃん」
「でも、告白されて断りにくかったのかも」
「その後も何度か遊びに行ったりしたんだよな?」
「うん」
「じゃあそれってデートじゃん。何がダメなの?」
「……たまたま、その時彼女が欲しかっただけかも。いいタイミングで私が告白したから、」
「怒るぞ」
「……ごめん」
「お前が不安なのはわかったけどさ、ネガティブに考えてもいいことないぜ?本人に私のこと好きー?って訊いてみたらいいじゃん」
「それが出来たらこんなに悩んでない」
「……だよなー」
「たった一言、好きって言ってくれるだけでいいの。一回でいいから、緑間くんに言われてみたい」
「そんなの、一言訊いたら言ってくれると思うけど」
「私が訊いたら、それはイコール好きって言ってってことになっちゃうじゃない」
「……そんなことないと思うけどなー。第一、あの真ちゃんがそんなことまで気付くかねー」
「最初は好きになってくれなくても、付き合ってくれるだけでいいと思ってたし幸せだったのに。ちゃんと好きになってほしいなんて、贅沢だね」
「別に、贅沢ではないと思うぜ?ただ……」
「いつまでしゃべっているのだよ高尾」

 聞こえた声に高尾と二人、まるでギギギと音がしそうなほど恐る恐る後ろを振り返った。すると、教室の入り口にはちょうど話題に上っていた張本人、緑間真太郎氏が立っていた。
「真ちゃん今の話……」
「だいたい把握したのだよ」
 その言葉は、私にとって死刑宣告に等しかった。今まで必死に隠してきたのに、これじゃ嫌われてしまう。重い女だって思われてしまう。呆れられたかな、気持ち悪いって思われたかな。でも、今までのやり取りは誤魔化しようがないし、緑間くんはどんどん私に近付いてくる。やがて口を開いて――――。
「高尾、ちょっとこいつと二人にしてほしいのだよ」
「ああそうだよな、じゃあお邪魔虫は退散するな!」
「ああ、とっとと失せるのだよ」
 全然邪魔なんかじゃないから行かないでー!私を一人にしないでー!という心の声が聞こえるはずもなく、私は彼と2人きりになってしまった。

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