気付かなかったお前が悪い (2/3)


「ここか」

玄関から真っ直ぐ続く廊下(といっても短い距離だが)の途中で蓮二は立ち止まった。
ちょうどそこはいつも気配を感じるところで、何も言っていないのにわかったということは、やはり蓮二に霊感があるというのは本当だったらしい。
(ソースが仁王だったので実は少し疑わしかったのだ。)

「確かにお前の言う通り、いるな」
「れ、蓮二には見えるの…?」
「ああ」
「やっぱりーっ!!」
ほらね、やっぱり私の言う通りだったでしょ気のせいじゃなかったでしょ!と心の中で友達に勝ち誇ってみたものの、いるとなるとそれはそれでやっぱり嫌だ。
「お前はさっきからやっぱりやっぱり言いすぎだ」
「やだ読心術…!」
「すべてお前の口からだだ漏れだ」
「そんなことよりどんな姿なの!? 悪い霊なの!?」
「30代の男性だが、悪い霊ではないし、お前に危害を加えることはないから怖がる必要はない」
「そんなこと言われても怖いよ…!」
「じゃあ俺と一緒に住めばいいだろう」
「え…?」

蓮二がここに住んだら余計狭くなるじゃないって言ったら盛大に溜め息を吐かれた。何で。

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