どんな君でも好きだから (7/7)


「最初は本当にいい子だと思って見てた。理想通りの子だなって思ってたし、告白されて嬉しかった。でも、よく見てたらわかるんだ、君が無理してることは。だから、本当の君は真逆の人間なんじゃないかって」
「幸村も充分、データマンになれそうだね」
「いや、俺は君に避けられている理由は柳に聞くまでわからなかったから柳には敵わないよ。柳は、君が自分を偽っていることで負い目を感じているんじゃないかって言ってたんだけど、」

そこで幸村は一旦言葉を切って、続けた。

「どうして由起奈が負い目を感じる必要があるの?」
「…だって、私は幸村を騙してたんだよ?本当の私を知ったら幸村は私のことを嫌いになると思った。本当の私は幸村の理想からは程遠いし、そんな私のことを幸村が好きになってくれるわけないと思った。だから、幸村によく思われたくて、自分を偽ったの、私は」
「…馬鹿だなぁ、由起奈は。じゃあ逆に訊くけど、何で嫌いになる必要があるの?もし騙してて嫌われなければならないなら、仁王はとっくに世界中の人に嫌われているはずだ。それに、いくら演じていたとしてもね、理想の人間を演じ切れる人なんてそうそういないよ。人によく思われたい、そう思って行動することの何が悪いの?」
「でも、」
「ねぇ由起奈、俺は君だから好きになったんだ。俺が君のことを好きで、君が俺のことを好きなら、何の問題もないことだ。由起奈は俺のことが嫌いになったの?」
「…嫌いになんてなるわけないじゃん」
「じゃあ、何の問題もないね。あと、騙していたのはお互い様だ。よって、由起奈が負い目を感じる必要はどこにもないんだよ」

幸村が優しくそう言うから、私は思わず安心して泣き出してしまった。
私が泣き止むまで、幸村は私の頭を撫でてくれていた。


どんな君でも好きだから
(頼むから、もう二度と俺のことを避けたりしないでくれ)
(これからは言いたいことがあったら我慢せず全部俺に言うこと、いいね?)


130305



幸村お誕生日おめでとうー!!
ギリギリ間に合ってよかった〜。
何か誕生日ネタを無理矢理捩じ込んだ感があってすみません。
とりあえずひたすらイケメンな幸村を、40.5とペアプリとにらめっこしながら書いてみました。
駆け引き上手な人が好きなのは柳だったか仁王だったかわからなくなっちゃったんですが、ここでは柳ということにしといてください!
それにしても好きな人に好かれるために努力できる人はすごいですよね。

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