どんな君でも好きだから (6/7)


俺が名前を呼んでも由起奈は振り返らない。

「由起奈」
もう一度名前を呼んだらようやく振り返ってくれた。
でも顔は上げてくれないらしい。

「誕生日おめでとう」
「ありがとう、由起奈は俺にプレゼントくれないの?」
「つまらないものだけど」
「由起奈がくれたもの、俺がつまらないなんて思うわけないだろう?」
おどけてみても、彼女が動く様子はない。

「ねぇ由起奈、柳に聞いたんだけど」
俺がそう言うと由起奈は勢いよく顔を上げた。

「ごめんなさい」
「…何で謝るの?」
「私、幸村を騙してたんだ。本当は私、」
「本当はめんどくさがりで夜更かしや健康に悪いものが大好き、焼き魚なんて嫌いだし愚痴っぽい性格なんだろ、由起奈は」
「…やっぱり柳、幸村に言ってたんだね」
「柳から聞いたのは今日だけど、俺、本当はずっと前から知ってたんだ」
「え…?」

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