どんな君でも好きだから (4/7)


でもね、本当の私は違うの。

本当は勉強だって嫌いだしやりたくない。
委員長の仕事なんてめんどくさいし委員長だからって面倒事を押し付けられる度に笑顔で引き受ける裏で心の中では何で私がって文句ばっかり言いまくってる。

本当の私は夜更かし大好きで午前中は寝倒したい派。
早起きして得したなんて思ったことない。
脂っこいものとかお菓子と肉とか健康に悪いものが大好きだし、野菜や幸村の好物の焼き魚とか健康に良い食べ物なんか大っ嫌い。

本当の私は愚痴っぽくて口に出さないだけで今でも心の中で不平不満ばっかり言ってる。

つまり、今幸村と付き合っている私は必死に演技している『偽りの私』で、本当の私を知ったらきっと幸村は私のことなんて好きじゃなくなるだろう。
だって、私は幸村や周りを騙して幸村の彼女になったのだ。
そう思うと恥ずかしくなって、どう幸村と接したらいいのかわからなくなった。
私は、このまま幸村と付き合っていていいのだろうか。

データマンの柳だけは本当の私に気付いていたようだが、特に今まで何も言われていないし、幸村に何かを言った様子もない。
私は駆け引き上手な人間がタイプの柳と付き合うべきだったかもしれないと半ば本気で思っている。

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