どんな君でも好きだから (3/7)


最近私が幸村を避けているのには理由がある。

立海に入学して初めて幸村を見たとき、一目惚れした。
彼を知れば知るほど素晴らしい人で、とても平凡な私に釣り合うような人ではないと思った。
でも、みんながそうであるように、私だって幸村の彼女になりたい、幸村に好きになってもらいたい、と思った。
だから、行動を起こした。

幸村はどんな事にも一生懸命な子が好きだと聞いたから勉強も頑張ったし、皆の前に立つのだって苦手だったけど委員長にだってなった。
幸村にいつも頑張ってるねって声をかけられたときは嬉しくて死ぬかと思った。

健康な人が好きだと聞いた時から規則正しい生活を心がけ、食生活に気を遣い、体調を崩さないように気を付けた。

陰口を言う子が苦手と聞いた時には友達の愚痴は聞くが自分の愚痴は言わないようにしたし、誰かが悪口を言っているのを聞いたときは止めるようになった。

私はものすごく努力して幸村の好みの子に近付こうとした。
そんな私を出来た人間だと褒める人が増え、「桐島さんはすごく良い子で羨ましい」とよく言われるようになった。
同じくらいいい子ぶりっこだと私を批判する人も増えたけれど。
そして勇気を出して幸村に告白して承諾の返事をもらった時、すごく嬉しかった。

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