どんな君でも好きだから (2/7)


「いやー、相変わらずすごい人気だよな、幸村くんは」
事も無げにそう言う丸井ブン太。

「全くあのようにテニスコートの周りで騒ぐとは…たるんどる」
いつにも増してうるさい女子に不機嫌な様子を隠さない真田弦一郎。

「まあでも女子達がうるさいのは今始まったことじゃないぜよ」
「仁王くん、彼女達はあくまでも幸村くんを祝いたいだけなのですから、その様に言うのはあまりよくないと思いますよ」
「じゃあ柳生はあれが毎日続いてもええんじゃな」
「…」
さらりと酷いことを言う仁王雅治と仁王の言葉に何も言わないことで実は一番酷い柳生比呂士。

「精市、今年も全てプレゼントは受け取るのか」
「俺のために用意してくれたものだからね、一応そうしようと思っているよ」
「だけど、桐島はあまりよく思わないんじゃないか?」
「いいじゃないっスか幸村部長、かわいい彼女からプレゼントもらえるんでしょ?」
「さあ、どうだろうね」
「どういう意味だ精市」
「最近俺、由起奈に避けられてるんだ」
幸村の発言に驚く一同。

「理由を知れるものなら知りたいけど、完璧に避けられてるからね、訊けないんだ」
「メールとかはしてないんですか?」
「全部無視されてるよ、まさか今日まで無視されるとは思いたくないけど…」
「桐島が精市を避けている理由、知りたいか」
「…何か知っているのかい?」
「思い当たることがある、解決できるかどうかは精市次第だ」

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -