どんな君でも好きだから (1/7)
立海大学附属中学校では朝から女子の黄色い声が響いていた。
ちなみに本日は3月5日である。
男子テニス部が朝練をしているテニスコート付近にはいつも以上にお洒落に気合いを入れた女子達がプレゼントを持って声援を送っている姿が多数見受けられた。
「幸村くーん!!」
「また決まったわカッコイイー!!」
そう、本日は皆の王子様、男子テニス部部長幸村精市の誕生日である。
「相変わらずすっごい人気ね」
テニスコートを横目に見ながら颯爽と歩く桐島由起奈は誰にともなく呟く。
「でも幸村の彼女は私なんだけどな…」
そう言った彼女の表情はどこか自信なさげだった。