お返しは、 (5/5)


「気に入らなかったか…?」
「ううん、違うの。すごくいいと思う。でもね、私なんかのためにこんなに高いもの、買わなくていいんだよ」
「好きなやつに贈り物をして何が悪い」

何でそこで殺し文句…!と思ったが、精一杯の反論をたった一言で封じられた由起奈はやはり何も言えない。

「私なんかにもったいない、お前はいつもそう言うが、俺が好きでやってることだ、お前は黙って俺に贈られてりゃいいんだよ」
「でも、私、もらっても跡部くんに何のお返しもできない…」
「お返しなんざいらねーよ。ただ、お前がどうしてもお返ししなくちゃ気が済まねえっていうなら、その代わりに俺はお前にしてもらいたいことが一つだけある」
「…私に出来る範囲なら頑張る」
「俺のことを名前で呼んでほしい」
「え…?」
「今そんなことでいいの?って思っただろ」

図星だったので素直に頷いた。

「今まで俺のこと名前で呼んだことねえくせによく言うぜ」
「でもそれじゃ釣り合ってない」
「俺様が言いっつったらいいんだよ。『ありがとう景吾』、さあ言ってみろ」
「…ありがとう、景吾」

由起奈がそう言うと、跡部は満足そうに笑った。


お返しは、僕の名を呼ぶ君の声、それで充分
(ついでにキスでもしてくれりゃ最高なんだがな)


130220



私の耳当てが壊れたので、跡部にプレゼントしてもらいたい!と思って書いただけです。
跡部様にプレゼントしていただけるはずもなく、私は大人しく300均でさらに半額の158円で買いました。
なぜヒロインがこんなにも自信がないのかとか、フラグ立てときながらいろいろ回収できてなくてすみません。
そして何より跡部の俺様感が出てなくてすみません…。

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