愛故に (3/5)


ちなみにことわっておくが、由起奈は俺の彼女ではない。
こちらとしては由起奈にほんのり好意を寄せていたりするが、彼女がこちらをどう思っているかは知らない。
しかし、由起奈は俺の食生活(どころか普通の生活全体)の不健康さを知っている彼女は、こうしてたまにごはんを作りに来てくれる。
それがただ単に彼女の親切心から来る行動なのか、それとも少しは色よい気持ちがあるのか――知れるなら知りたいものである。
もちろん、どちらにしても由起奈が俺の大切な仲間であることには変わらないが。

俺が思案している間に由起奈はテキパキと料理を進めていて、おいしそうな匂いが部屋を満たす。
それにしてもお互い同じ一人暮らしなのにこの生活スキルの差は何なのだろうか。
確か、彼女はどちらかというとめんどくさがりだったはずなんじゃが。

「雅治ー、そろそろできるからお皿出してー」
由起奈が言うのでお皿を出す。
ついでに他の食器も並べて料理ができるのを待つ。
できあがった料理の盛り付けを手伝って席に着いた。

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テーマ「人外ファンタジー」
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