愛故に (2/5)
ドアを開けるとテニサー(もちろん遊びがメインではなく練習がメインの方)のマネージャーの由起奈がいた。
「うわ〜、今起きたって顔してるね」
「確か、今日何も約束してなかったはずじゃよな?」
「うん、でも急にバイトが休みになっちゃったから来たの。メールしたけどどうせ見てないでしょ」
「…プリッ」
「それでどうせ食べる物なくてまたごはん抜こうとしてたでしょー?」
「…ピヨッ」
「スーパーで食材買って来たから、ごはん作ってあげる」
彼女のありがたい申し出に俺は素直に由起奈を家の中に入れた。