カナワナイ (2/5)


「丸井!?」
「あんたいつからいたの!?」
同じクラスの男子、丸井ブン太だった。
「『好きな人いないの!?』から。おまえらさ、こんな聞こえるところでこんな話するべきじゃないと思うぜ?」
「うるさいなー、てかあんた何でこんなところにいるのよ」
「忘れ物取りに来たんだよぃ」
「もー、じゃあとっとと取って出てってよ」
「言われなくてももう出てくよ。でもさ――」
丸井が私を見て、
「おまえに好きな奴?無理だろぃ、やめとけば?」
笑って言い放ちやがったのだ――。

「ちょっ、丸井!!」
「あんた何言って――」
「……あんたに何か関係あるの?」
「は?」
「私に好きな人がいることがあんたに何か関係あるの?ないよね?ここで話してた私達も悪いかもしれないけど、そもそもあんたにそんなこと言われる筋合いある?ないよね?」

怒った私に手がつけられないことは、長い付き合いの美優達はよく知っている。
だから何も言わない。
そして、今年初めて同じクラスになった丸井が何も言えるわけがない。

「とにかくあんたには関係ないんだから放っといて――そして今すぐ出て行ってくれない?」

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