※エイリア学園は本当に宇宙人だったという捏造。2期のその後。甘くて遠距離。 「こちらなまえ、応答せよーっ」 私こと、みょうじなまえは通信機に叫んだ。 今日は大好きなグランと話せる日。今から楽しみで仕方が無い。 宇宙人との戦いの最中、雷門中サッカー部でマネージャーをしていた私は、福岡でグランに一目惚れ。 敵にも拘らず猛アタックをした結果、グランの気持ちが動いて両想いに至ったのだ。 雷門中とエイリア学園との戦いの後、グランたちエイリア学園は自分たちの故郷へと帰っていった。 別れるのは辛かったけれど、グランは私に通信機を贈ってくれた。 両手に納まるほどの小さな通信機は光を吸収するような鈍い黒色をしていて、側面に付いたスイッチを押すとグランの持っている通信機と交信ができる仕組みになっている。 グランと話せるのは週に一、二回だけど私はそれでも満足だ。 もしかしたら、この通信機が無ければ私はグランと宇宙に旅立っていたかもしれない。 そして今日は楽しみにしていたグランと話せる日と言う訳だ。 グランが応答してくれるのを、今か今かと待っていると 「こちら、グラン。やあ、なまえ」 「グランッ!!」 通信機のディスプレイに映る愛しい人。 赤く逆立った髪とエメラルド色の瞳が特徴的な彼は、にこやかに微笑んだ。 甘い声にもう既にとろけてしまいそうになる。 「一週間ぶりだね、グラン!」 「嗚呼、そうだね…元気にしていたかい?」 「うん、勿論だよ!グランも元気?」 「元気だよ、有り余るくらいね」 それから話すのは他愛も無いこと。 学校のこと、サッカーのこと、お互いのそれからのこと…いつもと同じ、何も変わらない会話…それが一番なのかもしれないけど。 そしてお決まりのこの一言。 「あー、グランに会いたいなぁ…」 私の思いをこめた呟きにいつもグランは苦笑する。 だって好きな人に会えなくて辛いのは当然のことでしょ? 心を二つに引き裂かれたような痛み、って言うのはいいすぎかな…でも、そのくらい辛いものなんだよね。 「俺も会いたいよ、なまえ…」 「次はいつ地球に来れるの?」 「それはまだ分からないかな…でも、絶対に会いに行くよ」 優しく言ってくれるのは嬉しいけれど、変な期待を持っちゃうかも。 これで、もしも会いに来てくれなかったら私は駄目になってしまうような気がする。 そんな私の表情を読み取ったのか、グランが安心させるように笑った。 「大丈夫だよ、俺は嘘をついたりしないから」 「…私や円堂達を騙してたのに?」 「それは言わないで欲しいなぁ」 苦笑するグラン。言い返せないあたり図星だよね… グランはいつだって優しく笑うけど、その裏には何かを隠し持っている事が多い。 嘘ばかりついて生きてきたのかもしれないし、今のこの笑顔だって嘘かもしれない。 私が好きだって言うのも嘘だったりして。 「少なくとも、俺のなまえへの気持ちは嘘じゃないから。好きだよ、なまえ」 「わ、私も好きだよ…!」 嗚呼、この笑顔は嘘なんかじゃない…本当の本当に、私を愛してくれているんだ。 嬉しくて私の顔もついつい笑ってしまう。 「じゃあ、そろそろ切るから…どんなに離れていても俺以外の誰かのこと、好きになったりしないでよ?」 「当たり前でしょ?何百光年、何千光年、何万光年離れてたってグランのことだけを愛してるから!」 たとえ会う事が難しくても、この気持ちに変わりは無いんだ。 あの日、グランに出会って好きになって…それからずっとグランだけが好き。 私の言葉に、グランも柔和な笑みを浮かべている。 「ありがとう、なまえ…じゃあ、またね」 「うん、またね…!」 ぷつりと切れる回線。黒く塗りつぶされるディスプレイ。 物悲しく静まり返る通信機の蓋をパタリと閉じる。 またしばらくは話せないけれど、今度はグランから呼び出して欲しいな。 光年遠距離恋愛 (早く私に会いにきてよね) (早く君に会いに行きたい) ------------------------------------------------- 最後にタイトルと一言みたいなの入れるの楽しいですね。 入れすぎるのも面倒なんですが… どうしてもトークショーのせいか、グランを変態にしたくなる。 |