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「……ねえ、リレイヌ。あなた、何者なの?」

嬉しそうなコレットさんが先に部屋を後にしたのを視界。私も皆の元へ行こうとして、リフィルさんにより呼び止められた。そうして、冒頭の質問。「何者、と言われましても……」と困ったように笑えば、リフィルさんは観察者の目を向けてくる。

「今の力、マナを必要とはしていなかった。見たことの無い力だわ。それに、あなたの異常なまでの傷の治り……普通の人間とは思えない」
「……疑っていると。そういうことですか?」
「いえ、ただの好奇心よ。不快にさせたのならごめんなさい」

謝る彼女に、嘘は言っていないなと嘆息。

「……知らない方がいい事も、世の中にはありますよ」
「それはつまり、知られたくない、ということかしら……?」
「そういうわけではないんですが……」

歯切れの悪い私に、リフィルさんは頷いた。そして、「無理には聞かないわ」と言葉を紡ぐ。

「引き止めてしまってごめんなさいね」
「いえ、別に……」

反応に困るなと考えた時、扉の向こうから「リレイヌー」と名を呼ばれた。ミトスくんだ。私はすぐさま「はい」と返事をし、リフィルさんに「失礼します」と告げて扉の方へ。それを開け、案の定そこにいたミトスくんに微笑んでから部屋を出る。

「何か話してたの?」
「ええ、まあ、ちょっと……」
「ふうん?」

まあいいやと、彼は食事の準備を手伝ってほしいと告げた。それに頷き、二人でキッチンへ。なぜかそこにいたゼロスさんに挨拶してから、タバサさんが作りおいていた食事を食卓に運ぶ。

『あなた、何者なの?』

問われた言葉が、頭の中に反響していた。


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