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あの日、晃と総司は慣れていない京都の地理を覚えに行く為2人で出かけていた。



「あーーー…………京都は四角い道がありすぎて覚えられねぇー!!」
「そうですよねぇ…。
 あ、じゃあ甘味でも食べに行きますか!!」
「そうするか!」

京の町を覚えようと出掛けたはいいが、同じような道が多すぎて全く覚えられない総司と晃。
これでは埒が明かないという事で、2人は面倒臭くなって菓子を食べに行く事になったのだが――



「きゃー!!」

割と近くから女子のの叫び声が聞こえたのだ。
声の方を振り返って見ると、そこには輪になった人だかりと、逃げ惑う人々が居た。



「晃!行きましょう。」
「ああ。」



―――――しかし、

「くそっ人が多すぎて進めねぇ!
 総司!!先行ってろ!」
「はい!」

見る人と逃げる人とでごちゃごちゃになったその場を振り切って行くのはまだ良いとして、晃は逃げてきた人のうちの1人に捕まられて身動きが取れないのだ。
何かを言おうとしているらしいが、内容はよく聞き取れない。
晃は耳が良いが、耳が良い分余計な声まで聞こえてきてよく聞こえない。その上取り乱している為に呂律が回っていないのだ。


声しか聞こえないものの、総司は格好良く建物の中へ入っていったようだ。
これが総司には初めての実践だった。
晃には何度か人を斬った事があるから、本来は晃も入った方がいい筈なのだが。



何で私に捕まってくるんだー……。

そう。晃に捕まっている人は、かなり若くてお年頃の娘ばかり。
どさくさに紛れてさっきの1人から、更に3人の女子が晃にしがみ付いている。



何でこんな緊急時に…!!阿呆かこの女子ども!


しかし心の中で叫んでも、誰にも聞こえはしないのだ。





そして―――




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