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気づけば、再不斬はヒカリ達とタズナの間に入り込んでいた。
カカシも気付いてこちらに走ってきて攻撃を与えた。
全員その場から飛びのき、カカシが相手の心臓を刺した瞬間、背後にはもう一つの影。




ザシュッ



「ギャー!!」


再不斬の水分身が消え、後ろからカカシが斬られた。
だが、それも水分身。




「終わりだ」




カカシがまた背後から再不斬を捕らえた。
首筋にはクナイ。
この短い時間で水分身をコピーしたことは、再不斬にも驚きだったらしい。



「けどな、俺もそう甘かねえんだよ」
「……!そいつもにせもの…?!」








結局、隙を衝かれて蹴り飛ばされてしまった。
飛んだのは水の上。
だが、そこは既に再不斬の術中だった。


「フン、バカが。水牢の術!」



カカシは捕らえられた。
もう上忍は自分しか居ない。なんとかせねば。

本体がこっちに向かって歩いてくる。
カカシは逃げろと叫んではいるが、正直、いくらなんでも三人を再不斬より速く逃げさせられるとも思えない。
だが、自分は正直それほど強いわけではない。
木ノ葉の上忍の中で言ったらまあまあかもしれないが、カカシや目の前にいる再不斬のように強くなどない。




「あたしがやるから、その間に逃げて!」
「バカな事言うな!逃げろ!」





カカシの制止を聞かずにクナイを投げる。
近づいたらきっと殺される。
今は時間を稼ぐだけでいい。それだけでいいから、早く逃げて!
そう願うのに、中々逃げようとはしてくれない。


あまりクナイは役に立っていないかもしれない。
あの大きな刀で避けているから、殆ど当たっていやしないし、当たったところで致命傷は確実に避けられている。





「任務はタズナさんの護衛でしょ?!
 早くタズナさんを連れて逃げて!!」
「お前は目障りだな。どっか行ってろ」
「………ぐッ?!」


一瞬気をナルト達にやった瞬間に、首を掴まれてしまった。




息が詰まる。


仲間達が叫んでいる声が聞こえるが、本当は叫ぶ暇があるならとにかく逃げて欲しいものだ。









ダンッ!!




だが何もできないまま、彼らを逃がす事ができないまま振り飛ばされてしまった。


頭に激痛が走る。
痛いという感覚さえも分からなくなりそうだ。
手を、足を、頭を動かさなければ。
そう思うが、一向に自分の体は動こうとはしてくれない。
どころか、体中が重い。

意識が、遠のいていく…。



「…ナルト、サスケ、サクラ………タズナさん…」



再不斬の歪んだ笑顔が目に映った。
それが、脳が認識した最後の映像だった。




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