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「さすがにこれは、酷すぎるかな」


街には行ってみたが、あまりにも酷すぎる。
タズナの一家のような、まだ裕福な暮らしをしている者達は余程少ないらしく、春とは言え上半身は皆シャツ1枚である。しかもボロボロ。
貧しいが故に平気で盗みやひったくりをする人々が溢れかえっている。
自分が街を歩けば、皆が自分の鞄をじっくり見ている。
どれだけ金が無いんだろうか、この国は。

野良犬も野良猫も歩いていない。
八百屋には両手を出せば全て手に乗りきるのではないかというくらいの量しか店頭には出しておらず、腐りかけているものも少なくない。

――街が枯れているようだ。家にも店にも蔓が伸びていて、家中を覆っている。

子供は親が居ないのか、家の壁にもたれ掛かった状態で地べたに座り、地べたで寝る。
表情は誰もが暗く、生きている意味さえ分からない。そんな表情をしている。
赤ん坊は一度も見かけない。まだ弱い赤ん坊は、産まれても栄養失調や病気で死んでしまうのだろう。
まだ幼い子供からおじいさん、おばあさん。全ての人々の頬は痩せこけ、街中悪臭が漂っていた。



元々人数の多い街なのであろう。
助けようにも人が多くて、手が回りきらない。
やはり、ガトーは相当あくどい奴らしい。
どうにかしたい気持ちは山々だが、ここから先は国の問題だ。
迂闊に手は出せない。















***











街を一通り歩いて帰ると、まだサスケとナルトは帰っていなかった。
随分と長い事修行を続けているはずだが、お腹は空いていないのだろうか。




「悪いんだけど、そろそろサスケ君とナルト君を呼んできて貰えない?夕飯ができあがるんだけど」
「あ、じゃああたし行きます」


ちょうど二人の進行具合も見てみたかったし、とは言わずに立ち上がる。
サクラも付いていこうかと言っていたが、大丈夫だと言っておいた。





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