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ザッ……!!
「………?!」
突然背後から聞こえた物音に、一同が振り返った。
見えたのは、鎖に巻きつかれたカカシの姿。
次の瞬間に落ちてきたカカシの死体らしきものに、その場は凍りついた。
「キャー!!」
「カカシ先生!」
敵は二人。
カカシを片付けると次にナルトの方へ向かった。
「…………!!」
ナルトは恐怖のあまり身動きを取れずにいたが、いち早くサスケが動いた。
下忍ながらもあの身のこなし。しかも今日は初の実践だ。
やはり忍の才が元から備わっているらしい。
「タズナさん!!」
次はタズナさんがターゲットらしい。
サクラがタズナさんを庇い、そしてサスケも二人を庇う。
そして、ヒカリも手裏剣を投げようとした、その時。
「グォォ?!!」
カカシが現れた。
さっきの死体は変わり身を使った木片だった。
バラバラになるどころか、かすり傷ひとつ付いてはいなさそうである。
カカシよりも心配なのは、さっき敵にやられていたナルトの傷の方である。
あれは毒が塗ってあったようだ。
きっと今も痛みに耐えているに違いない。
「サスケ、よくやった。サクラもな。
こいつらは霧隠れの中忍ってとこか」
どうやら、依頼内容と実際の状況が違うようだ。
これはCランクの任務などではない。
下忍になったばかりの者がやる任務ではないはずだ。
そもそもCランクとBランクでは、ランクの差は一つと言えども、レベルが違いすぎる。
Bランクと言えば、中忍のマンセルがこなすようなものだ。
ここは一端、引いて任務を取り下げるべき。
ナルトの怪我も、本当なら毒を抜いて念のために暫く様子を見たほうが良いのだが。
ザクッ…
「ナルト!何やってんのよアンタ!!」
まさか、傷口をクナイで引き裂くとは。
余計に痛そうな気もするが、毒に掛かってからそう時間も経っていないし、この分なら平気だろう。
さっきの中忍は、中忍の中でも大して強くはなさそうだし、場慣れもしていなさそうだ。
―――ただ、開いた傷口は余計に痛いんじゃ?
「ま、大丈夫だろ!
この分ならそのうち治るさ」
カカシもこう言ってるし、心配いらないはずだ。
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